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民事訴訟判例の読み方 #2 「判決文に出てくる用語」


必要に応じて今後続くかもしれませんがとりあえず明日で一旦締めます。

昨日の記事(民事訴訟判例の読み方 #1「判決文の構成」)では判決文全体の構成のつかみ方をやりました。本日も同じ三角パズルベスト判例を参照して、「判決文に出てくる用語」を扱います。明日は「判決理由の読み解き方」です。
関連リンク:平成23年12月26日判決

xxx万円及びこれに対するx年x月x日から支払済みまで年5分の割合

請求、また原告勝訴の場合は主文に出てくる表現です。
民事訴訟の多くが損害賠償請求を伴うものだと思われますが、損害賠償請求では損害が生じたとき(x年x月x日)に被害を受けた側に債権が生じたことになります。損害が生じたときからの法定利率を示しています。
2020年4月1日施行の改正では「年三パーセント」と改正されましたが、それ以降に起こされた民事訴訟でも改正施行以前に被害が生じた場合には「年五分(5%)」となります。

仮執行

これも請求、また原告勝訴の場合は主文に出てくる表現です。
控訴までの期間や判決確定を待たず、損害賠償の請求を執行できるということです。

甲xx

原告から提出された証拠です。
これは判決では参照できませんが、裁判所に保管されている裁判記録では参照できます。

乙xx

被告から提出された証拠です。
これも甲xxと同様、裁判所に保管されている裁判記録では参照できます。

弁護士費用

損害賠償の額の1割を請求、原告勝訴の場合に認容するのが慣例のようですが、実態には即していないようにも思います。

訴訟費用

訴訟を起こすときの収入印紙の手数料や郵便費等です。
これは原告完全勝訴の場合は被告が負担、それ以外の原告勝訴の場合は認容された損害賠償の額に応じて原告と被告で分けて負担、原告敗訴の場合は原告が負担します。

蓋然性

この判例では出てこなかったのですが民事訴訟判例でよく出てくる用語です。英語でprobability、より一般的な用語に置き換えると「確率」「可能性」あたりですが、より客観的な意味合いがあります。

Posted in 知的財産権全般