色々あってお久しぶりの更新になってしまいました。
友利昴さんの「エセ著作権事件簿」を購入しました。実際に購入したのは9日ですが、発売日は本日のため本日書くことにしました。
まことしやかに語られている「小学校の卒業制作で某世界的キャラクターを描いたら消された」という都市伝説の真相、有名ウサギ型キャラクターバトル、個人的に面白いと思ったのは4分33秒、比較的新しいところでは東京五輪エンブレム、そして当サイトで取り上げてきた「編み物ユーチューバー著作権裁判」まで、本の帯に「著作権ヤクザ パクられ妄想 著作権厨・トレパク冤罪」とのかなり強い言葉が並んでいるような71もの事件が取り上げられています。これだけ力を入れて多くの事件が取り上げられていて税込2750円は実質無料と言っても過言ではないほど充実しています。おそらく日本国内、または日本人や日本の企業が何らかの形で巻き込まれたこの手の事件のほとんどを網羅しているのではないでしょうか。インターネットで誰もがコンテンツを発信する側になれる現代に必携の一冊です。
事件簿とは異なるところではコラムの”「無断引用禁止」というバカワード”も好きです。バカワード。バカワード。つい何回も言いたくなるパワーがありますね。
こちらから購入できると言いたいところですが、なんとAmazonでは品切れしています。楽天ブックスでは在庫があるようですが、現時点でのことなので今後どうなるかはわかりません。お近くの書店で手に入れるのが確実です。
編み物ユーチューバー事件
著者ご本人は「このような本を書いておいて著作権侵害を主張するのはナンセンス」とのことで確かにその通りなのですが、やはり内容等をそのまま載せては著作権侵害になるのでよろしくないのと、内容はぜひ購入して読んでいただきたいと言っておきます。
発売前からインターネット上で公開されている目次に「私に無断で糸巻き機の話をするな!トンデモユーチューバーの通報騒動」なるインパクトあるキャッチフレーズが公開されていたこの事件。本文中では原告チャンネルYと被告チャンネルSのチャンネル名、注釈では関連動画のURLも出てきます。注釈によると判決文を主に参考にしたことがうかがえますが、もしかすると証拠にも目を通しておられるかもしれないというほど取材が緻密です。裁判の流れだけではなく、おそらく詳細が出ているとしても判決文ではなく証拠のほうである「ダイソーの動画」「聖書動画」に関することにも触れられているからです。後から知って全くのニュートラルな視点から見てもやはり被告チャンネルSの主張がおかしなものであるというのがわかりました。
おそらくこの本の趣旨である「著作権に関するリテラシーの向上」からするとこの上ない素材(素材って)ではあると思います。被告チャンネルSの主張に恐れをなして動画を消したチャンネルがいけないわけではありませんが、確かなリテラシーをもってすれば恐れるに足りない相手であることがよくわかる素材(だから素材って)です。
「引用」の範囲としてパワーワード集を作りました。何か問題があればお知らせください。
他の事件についてもかなり気になるものが多く、まだ興味深い事件についてしか読めていませんが著作権に関するリテラシーの向上にはかなり役立ちそうです、
