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セルフレジの無効審決取消訴訟 一般需要者の視点で求める解決


ユニクロ・GU等の店舗にある「商品のカゴを置くだけで商品をすべて読み取るセルフレジ」は、特許第6469758号にかかるものです。

しかし、ユニクロ・GUを運営する株式会社ファーストリテイリングは特許権者ではありません。株式会社アスタリスクが特許を取得し、その後特許権そのものは株式会社NIPに移管されています。この移管先のお知らせ・会社概要を見ると、明らかにこのような事案を意識し、それに対抗するための会社を設立したと思われます。事件の規模は全く違いますがなんとなく親近感がわきます。

無効審決取消訴訟に至るまで

元は株式会社アスタリスクから株式会社ファーストリテイリングへ差止請求があり、おそらく特許侵害訴訟を停止させるために特許無効審判を起こしたのではないかと考えられます。
株式会社ファーストリテイリングが起こした特許無効審判によって一度は特許無効審決が下されたのですが、その後、株式会社アスタリスク・株式会社NIPが原告となり、株式会社ファーストリテイリングを被告として知的財産高等裁判所に無効審決取消の訴えを提起しました。裁判例検索から令和2(行ケ)10102号で検索すると誰でも判決について閲覧することができますが、判決全文は191ページあります。結果としては原告が勝訴し、無効審決は取り消されました。
かなりややこしいのですが、簡単にいうと4つの請求項のうち3つ(請求項1・2・4)が無効審決、1つ(請求項3)が維持審決とされていたため、原告が3つの無効審決取消、被告が1つの維持審決取消を主張し、原告の主張のみが全面的に認められて特許が維持され、被告の主張の棄却及び被告が訴訟費用を負担するという判決となりました。株式会社アスタリスクまたは株式会社NIPのニュースリリースをご覧になられた方やネットニュースなどで見たことのある方は覚えがあるかもしれませんが、被告はこれに対し、最高裁判所への上告をしたとされています。

ここまでは知財検定2級取得見込みっぽいことを書きました。
ここからは一般の需要者(消費者)としての意見を書きます。

商品置くだけのセルフレジは使いたいけど権利関係が怪しい状態では後ろめたい

このままだと株式会社ファーストリテイリングのイメージが悪化するばかりです。本来なら知財高裁の段階で、無効審判の取り下げ(特許庁の公式サイトによると、本来は一度審決が出たら不可能ですが、審決取消の係争中なら可能)、然るべき金銭の支払いと然るべき対価を支払った上でのライセンス契約あたりを条件に和解したほうが色々と丸く収まったのではないかと思います。それでも言う人は「金で解決するのか」などと言うかもしれませんが、裁判で解決するか然るべき対価をもって和解するかで言えば、和解したほうがよかったのではないかと思います。知財高裁での判決は上告しても棄却や不受理の可能性が極めて高いので、早いところまっとうな対価を払って解決したほうが早いのと、そのほうが正直言って需要者が助かります。例のセルフレジ自体はほとんど自社製品を売っている店舗では通用するものだと思うので、なんなら他のまっとうなライセンス料払ってくれる企業の店舗でも導入したらいいんじゃないですかね。いち需要者の意見でした。

Posted in 知的財産権全般