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持続可能なインターネット目標 #2 「知的財産架空請求を防ごう」


何がとは言わないですがこれはもはや確定演出に近い。

タイトルからすると#17くらいまで続きそうなシリーズですが、もしかしたらそれ以上続くかもしれません。

知的財産架空請求とは

存在しない知的財産権を根拠に金銭やその他の利益を要求すること。
その性質上、登録をせずに得られる「著作権」に関するものが多くを占めるが、時には特に権利を持たない者が登録できることもある「商標」に関しても間しても起こることがある。
一方、「特許」「実用新案」「意匠」等について架空の権利主張は困難なため、比較的起こることは少ない。

この言葉自体が存在しなかったので筆者が定義しました。

知的財産架空請求の実例

著作権については、当サイトで扱っている「編み物ユーチューバー著作権裁判」、そしてこの裁判に関する判例も収録されている「エセ著作権事件簿」に71もの実例が掲載されています。
関連記事:
「エセ著作権事件簿」を読んだ
編み物ユーチューバー著作権裁判 裁判例検索に掲載

商標について、比較的記憶が新しく知名度が高い例としては「ゆっくり茶番劇」が挙げられますが、権利所有者以外による商標登録はこれに限らず以前から問題視されていて、特許庁からの注意喚起や日本弁理士会の会員による「炎上事例」の考察が公表されています。本当に原文通りのタイトルです。
また、「ゆっくり茶番劇」の件でもあったように実際に商標登録をした者が商標権をかなり拡大解釈し、それを第三者が鵜呑みにしてしまうケースもあります。
関連記事:
「ゆっくり茶番劇」商標登録に関する今後の対策
関連リンク:
自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意) (特許庁)
商標登録出願にかかる炎上事例に関する考察 (日本弁理士会)

特許、実用新案、意匠等の実際に発明や考案が必要となるものについての事案は考えにくいのですが、先願主義を逆手に取り、実際には認められにくいものを「出願中」を楯に取って架空請求のように用いることは想定できると思います。

知的財産架空請求の対策

これは一般の架空請求と同じです。とにかく毅然とそんなものは見ていないかのように扱う、つまり無視するしかありません。
たいていは相手の要求に従わないと何かとても恐ろしいことや不都合なことが起こるように見せかけてきますが、そのように見せかけるのは一般の架空請求も知的財産架空請求もほぼ同じです。

いくつかのケースを実際に想定してみます。

相手から金銭を要求されている
→払わなければどうということはない。筆者はうっかりクレジットカードの引き落とし口座にお金を入れ忘れた上に督促のSMSを詐欺だと思い込み、クレジットカードを延滞ブラック未遂したがそれは話が別だ
むしろ一度でも払うとつけ上がってどんどん要求がエスカレートしていく。

相手から個人情報を要求されている
→教えなければどうということはない。なんらかの理由で個人情報を公開しないといけない場合は普段から偽の個人情報や大ボラをばらまきまくってありもしない疑念を抱かせておくといい。筆者はそうしている。

電話・メールがしつこい
→着信拒否・迷惑リストに放り込もう。最近はGmail等の迷惑メールフィルタの精度も上がっている。しかし迷惑メールに自動でそこそこ重要なメールが放り込まれてしまって気づかないことがあるのは大変困ったことである。

IPアドレスを相手に知られている
→おおまかな国・地域や使用しているプロバイダの情報を知ることはできるが、IPアドレス「だけ」で厳密な住所を特定するのは困難である。SNS等に別の端末からログインしたときに、現在地とは全く違う位置情報が表示されることはないだろうか?IPアドレスが特定する住所の精度はその程度に雑である。たとえば、Wikipediaではアカウントを持たない者が編集するとその者のIPアドレスが公開される。
発信者情報開示請求ではIPアドレスを特定した後に、プロバイダ事業者の協力のもと氏名や住所を特定するという段階が必要になる。
たとえば、厳密にマイナンバー法に基づいて考えればそんなことが起こったら違法であるしまがりなりにも行政書士である筆者が例に出すには良くないのだが、自分の本名も住所も電話番号も何も知らない第三者にマイナンバー「だけ」を知られたところで、その第三者に何ができるだろうか?おそらく悪用も何もしようがないと考えられる。それと同じである。

架空請求らしきものをされていることを人に知られたくない
→そう思わせるのが架空請求の手口である。同じ被害に遭っている人もいるかもしれないのでなるべく人と情報を共有しよう。

しつこい場合や悪質な場合、何らかの実害が発生した場合は警察・法律事務所・国民生活センター・消費生活センター等の然るべきところに相談しましょう。

Posted in 知的財産権全般