8月から先行出店申し込みが始まった「メルカリShops」。筆者は先行申し込みに当選してアカウントだけ取得していますが、どちらかといえば機能の様子見が目的だったのでショップを非公開にしています。ハンドメイド作品を売るには正直言ってあまり向いていないと思います。
メルカリShopsの特徴
・個人、個人事業主、法人のいずれでもショップが開設できる
一般のメルカリアカウントは原則個人のみです。
サービスの先行登録サイトからすると、ハンドメイド作品、野菜や果物などの農作物、焼き菓子、伝統工芸品などの出品を想定しているようです。
・メルカリでは複数アカウント禁止だが、個人としてのアカウントと異なるアカウントが持てる
例えばハンドメイド作品と個人の中古品を一緒くたに出品することに抵抗がある方もいると思いますが、メルカリShopsのアカウントがあればそれらを区別して出品することができます。
・許認可が必要なものを出品できる
生ものの食品(食品衛生法に基づく営業許可)、個人の不用品でない仕入れた古物(古物商許可)、手作り石鹸などの手作り化粧品(化粧品製造販売業許可)、自社製造の医薬部外品(医薬部外品製造販売業許可)など、許認可が必要なためメルカリで出品できないものが出品できます。
・ショップ詳細にショップのwebサイトやSNSアカウントを載せてもよい
外部誘導厳禁のメルカリ(SNSアカウントを載せたショップカードの同封すら不可と考えられている)でこれは画期的です。ただし、ネットショップや他の個人間取引・ハンドメイド作品販売サイトへのリンクは厳禁です。
・まとめて出品、在庫管理ができる
ハンドメイド作品に限らず同じものや同一商品の色やサイズ違いを複数持っていて出品したい場合、従来のメルカリでは1つずつ出品する必要がありました。Shopsではハンドメイド個人間取引に特化したアプリと同様、複数の在庫登録や色違い・サイズ違いの登録が可能です。
・コメントのやりとりが不要
購入希望者が質問したいときにできない場合があるのでデメリットにもなりうるかもしれません。
・特定商取引法に基づき、出品者の個人情報を消費者が請求すると遅滞なく開示しなければならない
BASEなどのように常に特定商取引法に基づく表記がされるわけではないですが、具体的には、個人の出品者の場合は氏名・住所・電話番号が購入を検討している人のメールアドレスに遅滞なく自動送信されます(明らかに法人とみられるShopsアカウントで試しにやってみましたが、本当に遅滞なく販売業者・代表者名・住所・電話番号が届きました)。特定商取引法に基づくものなので仕方ないですが、個人情報を保護して販売することは一般のメルカリアカウントより難しそうです。
・匿名配送などに対応していない
対応予定ではあるとのことですが、特定商取引法に基づく消費者への情報開示があるので匿名配送があっても出品者にとっては意味がないかもしれないですね。
・ショップから購入者、購入者からショップに連絡を取る場合、メッセージを送信し、その後はメールでやりとりを行う
これはトラブルの元になりそうな気がします。
・パソコン非対応
対応しないままサービス終了とかありうるんじゃないですかね。
早くもサービス終了の予感
この「メルカリShops」などの姉妹サービスを提供するグループ会社の株式会社ソウゾウは過去にも「メルカリアッテ」(近くに住む人同士での手渡し仲介サービス 2018/05/31終了)、「メルカリメゾンズ」(ブランド品に特化したサービス 2018/08/20終了)、「メルカリカウル」(本・CD・DVDなどに特化したサービス 2018/12/17終了)など、ここに挙げきれないほどの新サービスをリリースしていますが、その中の多くは1年未満の短期間でサービス終了をと判断されています。メルカリ直営のサービスでも「メルカリチャンネル」(配信販売サービス 2019/07/08終了)など、比較的短期間で終了したものがあります。
残念ながら、メルカリユーザーの中ではこの「メルカリShops」もかなり短期間で切られてしまうサービスと早くも予想されています。筆者個人の感想としても、店舗や法人でショップを出すならBASEなどのネットショップやYahoo・楽天などのECモール、個人間取引なら従来通りのメルカリの一般アカウントや他のハンドメイド販売含む個人間取引サービスで足りているところがあるので、あまりメルカリShops特有のメリットが思い浮かびません。最初は一般メルカリアカウントと分けられるということで期待していましたが、やはりハンドメイド作品を売るのには向いていないサービスだと思います。