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19日後に行政書士試験を受ける人 「丙丁つけがたい」


「丙丁つけがたい」とは「甲乙つけがたい」に対して、どれもイヤな選択肢から選ばなくてはならないことを甲乙丙丁の評価をもじって一部の人が使っている言葉です。

例えば2021/10/31の衆議院選挙に対して「選挙区に誰も投票したい候補者がいない」という人はいると思います。

ちなみに筆者が選挙権を持つ選挙区は立憲民主党の最有力候補を自由民主党、日本維新の会の各候補がそれぞれ比例復活を期待して追うような特殊な勢力図なので、「現状に不満があるなら与党以外や以前当選した候補・最有力候補以外に投票する」「国会議員が全体的に高齢すぎるのが不満だからとりあえず若い候補に投票してみる」「国会議員に女性の割合が低いのが不満だからとりあえず女性の候補に投票してみる」などといったいわゆる無党派層に勧められるよくある手段を取ろうとしたら本当に誰も投票できる候補者がいなくなります。難しいです。こういうときの最終手段は「政党というフィルターを消してなるべく個人を見る」ことですが、それが本当にうまくいくかはわかりません。

自分に身近かつ選挙権がないので話題にしやすいのですが、直近の大阪市長選は投票率52.70%に対して、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は投票率が62.35%でした。場合によっては別に選びたくもない「候補者から選ぶ」市長選に対して、「大阪市を廃止するか否か」という賛否がはっきりした住民投票というのはより投票のハードルが低いのかもしれません。また前回の住民投票でも僅差で反対多数だったため、「自分が行かなくても変わらない」という認識ではいられないということ、「一票が持つ重み」が候補者から選ぶという選挙よりもよりわかりやすいということ、「賛成多数になると大阪市が廃止され大阪府直轄になる」という結果がわかりやすく生活に直結するということも市長選と比較した投票率の高さに現れているのかもしれません。
有権者の意識としては、市長選では前府知事でもあり対抗候補についてはよくわからないことが多かったから松井一郎氏に投票したものの、大阪市がなくなるのには抵抗があるため住民投票では反対に投票したという人がいてもおかしくないし、至って普通のことだと思います。ある政党の候補者にとりあえず消去法で投票したものの、その政策や所属政党を全面的に支持できるわけではない人が大多数だと思うからです。たいていの政治家と結構な数の一般有権者はこれをわかっていないことが多いのは大いに問題では…

もっと昔かつ多くの人に思い当たる節があるかもしれないところだと、いわゆる「平成の大合併」の住民投票があります。筆者の出身地である島根県出雲市は2005年に2市4町の合併により生まれ変わりました。そこに隣接する出雲空港などが所在する斐川町は、当時の町長が合併反対派であったこと、2003年の住民投票での反対多数により当初は独立していましたが、のちに町長選で合併推進派の町長が当選したことなど様々な事情により、2010年の住民投票での賛成多数を受けて2011年に出雲市に加わりました。2003年・2010年の住民投票の投票率は、それぞれ71.45%・71.26%と、かなり住民の関心が高かったことが伺えます。関連して他の都道府県の市町村についても調べてみたところ、多くの市町村で70〜80%の高い投票率があり、「候補者を選ぶ」という漠然としたことより、「賛否を問う」というはっきりしていて生活に直結することのほうが自分ごととして捉えやすいのだろうと思います。

筆者は支持政党とかいう話はとりあえず置いといて、現状では有り得ないような連立政権が樹立された上で総議員の3分の2以上で憲法改正の発議がなされ、国民投票であえてそれに反対するのを生きているうちに一度はやってみたいです。改正の対象になる条文は、たぶんアレだろうとは思いますがどれでもいいです。自らは憲法改正に反対したいのに表向きは憲法改正を推進する候補者に投票しないと実現しない、なんて歪んだ願望なんだろうと我ながら思っているしそんな願望自体を快く思わない人もいると思います。
それでも国会議員の3分の2以上が賛成していることに有権者の力で反対するのって純粋に面白そうだと思いませんか。「候補者から選ぶ」のではなく「憲法を改正するか否か」を問うわけなので、先に例に出した大阪市での住民投票と同様、国民投票をもし行ったら投票率もいわゆる普通の衆議院選挙・参議院選挙よりはかなり高くなるのではないかと思います。社会実験…にしてはリスクが高すぎるといえばそうなのですが、そんな重要なことを国会議員だけの賛否で決めた気になってほしくないというところです。

Posted in 資格試験対策