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23日後に行政書士試験を受ける人 「オンライン選挙をするなら」


筆者は「職場や家庭で特定の候補者や政党への投票を強要される」というのをまことしやかに語られる都市伝説か何かだと割と最近まで思っていたし今も実際にされたことはないのですが、どうやら都市伝説ではないらしいです。

ところで、日本では今でも投票所に赴いて手書きで投票する(期日前投票や不在者投票でも同様)が一般的ですが、それは日本国憲法に定める「秘密投票の保障」を最も確実に守れる方法だからであると考えています。たとえ都市伝説のようなことが起ころうが、誰に投票したかなど秘密にしようとウソをつこうと自由で、意に沿わない候補者や政党に投票した人を不当に誹謗中傷するなどということもあってはならないと解釈できます。

すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

日本国憲法第15条4

感染症対策もあり在宅でオンライン選挙が可能かどうかを考えている人はインターネット上でもよく見かけるようになりましたが、もとより秘密投票を保障するために投票記載台は一人ずつ区切られ、周りの人とある程度間隔をとって静かに動くのが当たり前である投票所で感染が拡大することは考えにくいので、このたびの衆議院選挙も従来通りの形式で行われます。

自宅等からオンラインで選挙の投票が可能となると、この「秘密投票の保障」あたりに抵触しそうです。
既にオンライン選挙を実施している国であるエストニアでは、日本でいうマイナンバーカードのようなものを用いた電子署名によって一人一票の平等選挙を保障していて、同一人物が何度も投票した場合は投票受付期間内の最後に投票された票が有効となり、開票では電子署名を削除して秘密投票を保障しているとのことです。日本で導入したら高齢者と若者の投票率の逆転が起こらないか…しかし家族や他人のカードを用いた不正が防止できるかなど、それ以上に課題がありそうです。
関連リンク:資料2(現行の投開票の仕組み等)

一部の地方公共団体の選挙では、既に電子投票が実施され、従来通りの選挙での投票記載台にタッチパネルを設置し、無効票の解消や障害などにより投票用紙への記載が困難な有権者が投票しやすいというメリットがあるようです。導入の初期には機器トラブルで選挙が無効となるなどということもあり、全国規模での導入は困難かもしれません。

開票作業は現在も読取分類機や計数機を使ってある程度は機械に頼ることができていますが、オンラインで選挙できたらそれ以上に開票作業の簡略化はできそうです。一方で秘密投票の保障という原則は守らなければならないとすると、自宅等のどこからでも投票が可能というのはかえって心配です(「自宅等で話し合って投票することが秘密投票の保障に抵触する」ということ関する出題は過去の行政書士試験でもありました)。やはり既に一部の地方公共団体が実施しているような「投票所の投票記載台にタッチパネル等の端末を設置し、そこで投票する」という、投票所に赴くこと自体は従来通りと変わらない方法が最も適しているように思います。

Posted in 資格試験対策