転居と選挙で韻が踏める。
進学・就職などに伴う転居で4〜7月頃に行われる選挙で問題となることが多いですが、転職・異動・結婚などでこのたびの衆議院選挙の直前3ヶ月以内で転居した方の投票において使える制度について扱います。
2016年に施行されたいわゆる18歳選挙権とする公職選挙法の改正、参議院選挙が3年ごと7月に行われることが一般的であることから、改正で新たに選挙権を得る18歳・19歳が進学に伴う転居により選挙人名簿に登録されない可能性から救済するため、「18歳になってから転居し3ヶ月未満の場合」「旧住所地に3ヶ月以上居住し、旧住所地で選挙人名簿に登録されないまま転居した場合」に旧住所地で選挙人名簿に登録する改正が同時に施行されました。
参考リンク:
公職選挙法改正(選挙人名簿の登録制度の改正法) 概要
選挙人名簿
この場合、現住所ではなく旧住所地の選挙人名簿に登録されます。
また、選挙人名簿の登録は当該市区町村の区域内に住所を有する18歳以上の日本国民で、登録市区町村の住民票が作成された日から引き続き3ヶ月以上住民基本台帳に記載されている人について行われます。選挙が行われるときの選挙人名簿の登録の基準日は、原則として公示(告示)の前日です。なお、年齢についての基準は「投票日の翌日に満18歳の誕生日を迎える人まで」なので、今回の選挙では2003/11/01以前に生まれた人が選挙権をもつことになります。よく聞くことではありますが、法的には誕生日の前日に年をとると解釈されるためこのようなことになります。このたびの衆議院選挙では本日2021/10/19が公示日のため、昨日2021/10/18が基準日となります。また、転居等から4ヶ月以上経つと選挙人名簿から抹消されます。
そのため、原則として2021/07/18以後に転居した方の場合には旧住所地の選挙人名簿に登録されていることになります。
たいていの場合は選挙のために旧住所地に戻るわけにもいかないと思うので、不在者投票の制度を用いることになることが多いと思います。
不在者投票
旧住所地の選挙管理委員会に原則として郵送(市区町村によってはオンライン請求も可能)で「不在者投票の投票用紙等の請求書兼宣誓書」を送付します。書類は以下の総務省の公式サイト、その他旧住所地の市区町村の公式サイトでもダウンロードが可能です。これは投票期日に投票する場合も同じですが、選挙通知書や投票所入場券が旧住所に送付されていたり受け取れなかったりした場合でも差し支えありません。
関連リンク:投票制度
旧住所地から交付された書類をそのまま(開封せず)公示(告示)日の翌日から投票の前日まで(このたびの衆議院選挙なら2021/10/20〜2021/10/30)現住所等の滞在地の選挙管理委員会(原則として市区町村役所内、政令指定都市では行政区の区役所内)に持参し、投票します。
現住所の選挙人名簿に登録されていないからといって選挙権がないわけではありません(衆議院選挙・参議院選挙の場合なので地方公共団体の選挙ではこの限りではありません)。本日が公示でそこまで残り日数がないので、転居などで現住所の選挙人名簿に登録されていない方はなるべく早めに不在者投票のための手続きに取り掛かりましょう。