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30日後に行政書士試験を受ける人 「どうぶつの法」


なんだかどこかで聞いたことがあるタイトルですが、筆者もハリネズミを飼っているので、動物に関する法律について考えたいと思います。

法的には動物が「物」であり、家族として暮らしている動物が物扱いであること、もしも他人に傷付けられたとしても器物損壊罪にしか問うことができないことに納得のいかない人はいると思います。しかし、民法の規定やその他の関連法規の規定を見ると、やはり動物を命あるものとして普通の動産とは別に規定を設けていたりすることが多く、「人権の主体にはなりえないので人ではないという意味で物としている」くらいの解釈が良さそうです。民法などから、動物に関する規定を見ていきましょう。

動物の占有による権利の取得

家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。

民法第195条

実はこれが結構厄介な条文で、「民法:物権」を扱ったときは不十分な理解のまま書いていました。一見すると、この法律を根拠に迷子の生き物や捨てられた生き物を保護した場合は1ヶ月で権利を取得できるように解釈できます、
「家畜以外の動物」=「人の支配に属しないで生活するのを常態とする動物(昭和7年と現在と司法制度が大きく異なる頃の判例ですが、「九官鳥は家畜以外の動物に当たらない」としたものがある)」、「善意」=「他人が飼育していたと知らない」というように厳密に解釈すると、他に飼い主がいたことが明らかな迷い犬や迷い猫を保護した場合、あるいは飼い主に捨てられたと思われる捨て犬や捨て猫にこの法律を直接適用するのは難しいように思われます。昭和7年の判例の頃からすると人と動物との関係が随分違ってきているので、解釈が分かれるところかもしれません。

動物の占有者等の責任

動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りではない。

民法第718条

第2項において、占有者に代わって動物を管理する者も同様の責任を負うことが規定されています。
現代では室内飼いの猫や小動物が増えてきたのであまり動物が他人に損害を加えることは想像しづらいですが、中型犬・大型犬が人に本気で危害を加えたらかなり被害者の側がただでは済まないと思われます。特に子供などが見ると見た目だけで威圧感があって怖いこともあります(体験談)。人に危害を加えないよう管理するのも飼い主の責任です。

負担付遺贈

負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。

民法第1002条

動物には全く関係なさそうですが、この「負担付遺贈」とはある条件を義務として履行する代わりに遺産を相続するよう遺言書に記載することです。
動物は当然ながら人としての権利能力の主体ではないため、動物に直接遺産を相続させることはできません。そこで、「遺された動物の世話を負担してくれる人に遺産を相続させる」という意思を生前に遺言しておくのがこの負担付遺贈です。

その他の法律

この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。

動物の愛護及び管理に関する法律第1条

いわゆる動物愛護法です。一般の人々や動物の飼い主に関しての規定や動物取扱業などに関する規定があり、特に犬猫については繁殖の制限や56日齢以下の子犬・子猫の販売の禁止、展示に休憩時間を設けることなどの改正が今年6月に施行されました。また昨年6月から動物取扱業に関する実務経験の基準が厳しくなり、獣医師や愛玩動物看護師がペットホテルなどを兼業することを除くと、新規の業者が参入することが非常に困難になっています。

動物に関する問題は2013年の一般知識の分野で出題されたことがあります。改正についてはある程度押さえておいたほうがよさそうです。

Posted in 資格試験対策