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34日後に行政書士試験を受ける人 「行政法:行政救済」


今回は、知的財産権(事実上は弁理士の専権業務に属する産業財産権)に関する無効審判、審決取消訴訟にも関係が深い行政救済について学んでいきます。

行政救済とは、違法・不当な行政行為などの行政活動によって国民の権利や利益が侵害されたとき、その国民を救済するための制度です。
行政不服審査や行政事件訴訟は上に挙げた無効審判や審決取消訴訟のように行政処分自体の取消しの必要の有無を審査したり争うもの、国家賠償のように損害賠償によって補償するものという違いがあります。憲法第40条に定められた俗にいう冤罪による刑事補償請求権なども行政救済に属するとされます。
行政法はそれぞれのボリュームはあまり大きくなく(明日の地方自治法が比較的ボリュームがある)、行政不服審査法は87条、行政事件訴訟法は46条、国家賠償法は6条からなります。そのため、条文そのままからの出題や判例からの出題が多いのもポイントです。今回は「行政不服審査法:総論」「行政事件訴訟法:総論」「国家賠償法:総論」の3本で、それぞれの法律の概要を学んでいきます。
特に行政不服審査法や行政事件訴訟法の実例としては、特許無効審判と審決取消訴訟を想定したいと思います。

行政不服審査法:総論

例によって第1条に目的が定められていますが、「国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保すること」とされています。

審査請求
行政庁の処分(昨日も書いた通り、不利益処分だけではなく利益や権利を付与する場合も処分という)に対して不服がある者が審査請求をすることができると定めています。また、処分についての申請をした者(例えば許認可等の申請)から相当の期間に行政庁からの諾否の応答といった処分がない場合を不作為といいますが、不作為についての審査請求をすることもできます。
このほか、再調査の請求・再審査請求もありますが、審査請求が最も重要です。

審査請求は原則として、処分や不作為に関係する行政庁に対して審査請求書によってすることとなっています。例えば、特許無効審判については特許庁に対してすることになります。また、代理人(特許に関する審査請求の場合は弁理士、弁護士など)によって請求することもできます。
審査請求ができる期間は原則として処分があったことを知った時から3ヶ月、処分があった日の翌日から1年ですが、法律で個別の定めがある場合はそれに従います。例えば、特許無効審判は利害関係人に限り期間の定めがありません。

審査請求がされた場合、所属職員が審理手続を行う者を指名するとともに、それを審査請求人及び行政庁に通知します。例えば、特許無効審判では、複数名の審判官が指名されることとなります。また、利害関係人が審査請求へ参加する場合もあります。標準審理期間を定める努力義務とともに、それを定めた場合は公にしておくこととなります。

審理手続は書面によって行われますが、審査請求人等から申立てがあった場合は口頭意見陳述の機会を設ける必要があります。
また、審理員の意見書を行政不服審査会等の第三者機関に諮問する必要があります。

こののちに行政庁による裁決があります。請求人が期限を超過していた場合や請求の理由が認められない場合、必要な手続きを怠った場合は、その時点で審理が終結し、却下・棄却の裁決となることもあります。
処分についての審査請求では、請求の理由が認められる場合、裁決で処分の全部もしくは一部の取消し、変更が行われます。
不作為についての場合には、諾否の処分をすることとなります。
特許無効審判の場合は裁決を「審決」といい、特許を有効とする維持審決または、特許を遡って無効とする無効審決となります。対象となる請求項が複数ある場合、一部が維持審決で残りが無効審決となることもあります。

行政事件訴訟法:総論

第1条にはたいていその法律の趣旨や目的が定められていますが、行政事件訴訟法については趣旨のみが定められています。
行政事件訴訟には次のような区別があります。これらに分類されないものについては民事訴訟法が適用されます。

抗告訴訟
行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟。
さらに次のような区別がある。
・処分の取消しの訴え
・裁決の取消しの訴え(特許についての無効審決取消訴訟がこれにあてはまる)
・無効等確認の訴え
・不作為の違法確認の訴え
・義務付けの訴え
・差止めの訴え

当事者訴訟
当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟。

民衆訴訟
国又は公共団体の機関の放棄に適合しない行為の是正を求める訴訟。

機関訴訟
国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟。

国家賠償法

国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えた場合の損害賠償責任を定めています。
また、公務員に故意又は重大な過失があったとき、国又は公共団体は公務員に対して求償権があります。

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