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35日後に行政書士試験を受ける人 「行政法:行政作用」


タイトルが予定と異なりますが、行政書士にとって重要な行政作用について扱います。

行政行為には拘束力・公定力・不可争力・自力執行力・不可変更力といった、民法上の契約などとは異なる効力が認められています。
今まで扱った1000近い莫大な条文のあった民法、会社法とは違い、行政手続法はわずか46条、行政代執行法は6条ほどからなります。そのぶん判例からの出題も多いと予想されるのが難しいところです。「行政手続法:総論」と「行政代執行法:総論」の2本とします。

行政手続法:総論

処分、行政指導、届出、命令など、行政運営における公正の確保と透明性の向上のための共通事項を定めています。
知的財産権に関するそれぞれの法律のように、法律の第1条にその法律の目的が掲げられていることは少なくないですが、行政手続法の目的は「国民の権利利益の保護に資する」こととされています。

申請に関する処分
許認可等にかかわるため、行政書士にはとても重要な範囲です。なお、「処分」というといわゆる行政処分のような何か権利や利益を制限される行為を想像してしまいますが、法律の条文では、許認可等の申請のような利益の付与を求める行為に対する諾否についても「処分」という用語を使います。
申請については審査基準を具体的に定め、その審査基準を原則として公にすること、標準的な審査期間を定めて公にすること、遅滞なく審査を開始して形式上の不備があれば補正を求めるか拒否することが行政庁に求められています。また、申請者の求めに応じて処分の時期の見通しや申請の方法についての情報提供、第三者の利害を考慮すべき場合に公聴会等の開催によって意見を聴く機会を設けることが努力義務として定められています。拒否の場合には、原則として拒否の理由を書面で示さないといけないことも定められています。
なお、用語として「許可」「特許」「認可」などという言葉がありますが、これは次のような違いがあります。困ったことに法律の条文でもあまり明確に使い分けられていないので、どれであるかを区別する必要があります。
許可
国民が本来は自由にできる権利(職業選択の自由、営業の自由など)を持っている活動を一般的に禁止し、一定の要件を満たしたものに対して禁止を解除すること。
例えば営業行為(飲食店営業許可、酒類製造免許、古物商など)、特定の職業に関する資格の免許(医師などの医療従事者、弁護士などもちろん行政書士も含む士業、筆者が持っている教育職員免許状など)、その他の資格の免許(最もメジャーなものでは運転免許証など)があてはまる。
特許
国民が本来持っていない権利等を特別に新たな権利等として設定すること。「特」別に「許」す、とすれば許可と区別しやすい。
例えば電気事業、一般ガス事業といった公共性が高い事業や、工事などに伴って特定の個人や法人に道路や河川の占用を許すことがあてはまる。
ちなみに、知的財産権(産業財産権)としての「特許」とは異なる概念であり、そちらの「特許」は行政用語では「確認」にあてはまる。なんとも面倒な話である。
認可
行政が諾否の判断を原則としておこなわず、必要な要件を満たしていれば必ず認可されるもの。
例えば建設業許可、農地の権利の移転、鉄道やバスの運賃変更、社会福祉法人や学校法人や保育園の認可。新設の私立学校やその学部がが「認可申請中」などとして広告される場合がある。特にここ数年で問題となったのは岡山理科大学獣医学部。
確認
特定の事実又は法律関係の存否を行政庁が判断し、それに伴って法律の規定による一定の効果が発生すること。
知的財産権としての特許などはこれにあてはまるとされる。

不利益処分
許認可等の取消しなどがあてはまります。
処分基準を具体的に定める義務、またそれを公にしておく努力義務があります。
また、相手方(条文では「名あて人」)に対して聴聞又は弁明の機会の付与を与え、意見陳述のための手続をとることとなっています。

行政指導
申請や許認可等に対する指導で、「処分」にはあてはまらないものを指します。
例えば保健指導などがあてはまります。
行政指導はあくまで相手方に趣旨・内容・責任者を明確に示し、任意の協力を求めるものとされていますが、行政指導がされた時点で任意の協力を行わず改善されなかった場合には事実上は不利益処分につながることもあります。

処分等の求め
法令に違反する事実の是正のための処分又は行政指導を求めることで、誰もが申し出の権利を持ちます。
例えば、古物商など許認可等の名義貸しなどがあてはまると考えられます。

届出
上の「申請」にあてはまらない事項を行政庁に対して通知する行為で、記載事項及び必要書類が添付されていれば到達の時点で手続上の義務が履行されたものとされます。
例えば登記や印鑑登録といった特定の事実又は法律関係の存否を公に証明する「公証」、婚姻届・離婚届などの提出に対する「受理」があてはまります。特に婚姻届などの戸籍に関する届出は、多くの人がご存知の通り休日に提出しても、不備がなければ提出日に遡って効力が生じます。

意見公募手続等
命令等(用語としては規則、審査基準、処分基準、行政指導指針も含まれる)を定める機関が法令の趣旨に適合したものを定めるという原則があります。
命令等制定機関は原則として意見公募手続によって広く一般の意見を求め、実施の周知や情報の提供に努め、結果を公表するとされています。

行政代執行法:総論

とても短い法律です。
法律や行政が命ぜられた行為(他人が代わりになすことができる行為=代執行ができる行為)について義務者が履行しない場合、他の手段での履行が困難かつ不履行を放置することが著しく公益に反する場合、行政庁がその行為をなすか第三者によっておこなわせるかして、費用を義務者から徴収できるとしています。
例えば、放置された空き家、ゴミ屋敷、多頭飼育崩壊といった周辺住民に迷惑のかかる状況の住宅に対して代執行の手続がとられることが多いようです。

Posted in 資格試験対策