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41日後に行政書士試験を受ける人 「民法:相続」


これはFP2級学科である程度既習の範囲ですが、しっかり復習したいと思います。

本日は「民法:相続」「民法:遺言」「民法:相続に関するその他の権利」の3本とします。

民法:相続

第882条〜第959条(「総則」「相続人」「相続の効力」「相続の承認及び放棄」「財産分離」「相続人の不存在」)
ある人物(以後、被相続人)が死亡したとします。
このとき、相続権をもつ推定相続人は以下の通りです。
①配偶者(常に相続人となる。子と同順位)
②子(養子含む。子が死亡した場合や欠格・排除の場合は代襲により孫など)
③直系尊属(両親、祖父母などで親等が最も近い者。子がいない場合に限る)
④兄弟姉妹(子、直系尊属ともいない場合に限る。兄弟姉妹が死亡している場合は代襲により甥姪など)

子について、「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。(※1)」と定められています。例えば、妻が懐胎していて子が1人いる家族の夫が死亡したとき、既に生まれた子にのみ相続権があるのは不平等であるため、この場合は妻と第一子、さらに胎児である第二子に相続権が認められます(当然ながら死産の場合は除きます)。
(※1)「みなす」は法律においては最強カード(だんだん表現がくだけてきた)。「推定する」と「みなす」のひっかけは非常に多い。

相続権が欠格・廃除によって認められないのは次のような場合です。この場合、代襲相続人も欠格・廃除にあてはまる場合でない限り、代襲相続人に相続権が移ります。
・俗にいう保険金殺人(当たり前)。例外はあるがそれを知っていた者も含む。
・詐欺または強迫で遺言に影響を与えた者
・遺言書の偽造や遺棄などをした者
・被相続人に対する虐待や重大な侮辱などをおこなっていた者
・被相続人が生前に遺言と家庭裁判所への請求により廃除した推定相続人

相続権に関する時効は以下の通りです。
相続権を侵害された場合 相続権の侵害を知った時から5年間、相続開始の時から20年間 
遺留分を侵害された場合(後述) 相続の開始及び侵害を知った時から1年間、相続開始の時から10年間

法定相続分は次の通りです。血縁・婚姻・養子縁組のみを重視し、男女の区別や生まれた順番、嫡出子か非嫡出子かなど、原則として本人が生まれつきどうにもならないことについて差別することは許されないこととなっています(例外として、異父兄弟姉妹・異母兄弟姉妹は同父母の兄弟姉妹の2分の1)。このため、原則として例えば嫁・婿などに相続させることはできませんが、実際には嫁・婿と養子縁組することによって遺産を相続させる、または遺産が莫大な場合の相続税対策にする、などということをする場合もあります。

配偶者は常に相続人となり、①子②直系尊属③兄弟姉妹の順位となります。代襲相続人がいる場合も同様です。配偶者がいる場合の法定相続分は以下の通りです。子・直系尊属・兄弟姉妹が複数いる場合はそれぞれの法定相続分の中で等分します。

法定相続人配偶者の法定相続分法定相続分
2分の12分の1
直系尊属3分の23分の1
兄弟姉妹4分の34分の1

例えば筆者が今死んだら(毎度ながらイヤな想像だな…)、子はいないため相続人は配偶者と父母となり、法定相続分は配偶者3分の2、父6分の1、母6分の1です。分けるほどの貯蓄はないけど生命保険は結構あります(?)。

その他、特別受益者の相続の控除(生前に贈与を受けた場合など)、被相続人に対する寄与分を加えること(被相続人の介護など)といった定めのもと遺産を分割することになりますが、このあたりはいわゆる「相続」が「争族」になりがちなところで、家庭裁判所の介入が必要になる場合もあります。また、相続財産には債務も含まれるため、債務の割合が多い場合や相続税の負担が過大な場合など、各法定相続人が単独で相続の放棄をすることもできますが、欠格・廃除と違って子が代襲することはできず、初めから相続人でなかったとみなされ法定相続分などが計算されます。また、相続財産の分をもって被相続人の債務を弁済する「限定承認」もありますが、これはすべての相続人が共同でしなければなりません。また、法定相続人が不在の場合は様々な手続を経たのち、最終的には被相続人の財産は国庫に帰属します。

夫婦とも一人っ子で子供を育てるかどうかも怪しいところなので、他人事とは思えません。筆者たちが年老いて両親ともこの世を去ったら、財産の管理を信用して任せられるうんと若い弁護士か司法書士と知り合いになりたいです…何十年先のことかわからないし管理されるほどの大層な財産があるとも思えませんが、少なくとも今住んでいる家の抵当権は消えていると思いたいですね…

民法:遺言

第960条〜第1027条
遺族に個人的な思いを伝える「遺書」とは異なり、財産の分割や推定相続人以外への相続分(例えば事実婚関係の未届の配偶者・養子縁組をしていない婿や嫁など)を被相続人が生前に指定する方法として「遺言」の形式が定められ、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。遺言は15歳以上の意思能力のある人物によるものなら有効であり、行為能力は要しません。また、共同遺言の禁止、死亡の危急に迫った者の遺言などの定めがあります。
また、例えば公正証書遺言が自筆証書遺言より優先するなどの方式の上での優劣はなく、形式によらず遺言が複数ある場合は後のものが優先され、先のものと矛盾する部分は撤回されたとみなす(※2)こととなっています。
(※2)「みなす」はワイルドドロー4みたいなもの(だんだんくだけている)

種類特徴
自筆証書遺言遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、それに印を押さなければならない。
相続財産の目録は自書しなくてもよいが、毎ページに署名押印が必要。
遺言した内容の変更についても署名押印が必要。
家庭裁判所への提出と検認が必要。
公正証書遺言証人2人以上(遺言に関する利害関係にない者に限る。推定相続人等は不可)の立ち会いのもと、公証人に口述筆記させる。
公証人が遺言者と証人に内容を読み聞かせたあと、遺言者・証人・公証人が署名押印する。
遺言者が口述・聞き取りが不可能な場合には通訳人を通す。
公証人は裁判官・検察官などを退職した者がなることが多く、公証役場または公証人の出張によりおこなう。
家庭裁判所への提出と検認が不要。
秘密証書遺言遺言者が証書に署名押印し、それを封じて同じ印章で封印する。
公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出し、自己の遺言書である旨と氏名及び住所を申述する。
公証人が証書を提出した日付と申述を封紙に記載した後、遺言者・証人・公証人が署名押印する。
遺言した内容の変更についても署名押印が必要。
家庭裁判所への提出と検認が必要。

また、遺言では法定相続分では困難な「負担付遺贈」を定めることができます。「負担付遺贈」としてわかりやすい例としては、飼育している動物を家族のように思い遺産を相続させたいと思う人も近年珍しくないですが、人間以外に相続させることはできません。そのかわり、遺言者の死後にその動物の飼育を引き継ぐことを条件に特定の人物に遺言により遺産を多く相続させることができます。

生前に負担付遺贈をほのめかしていた人物として、有名なところでは俗にいう「紀州のドン・ファン」事件の被害者として知られる野崎幸助さんが挙げられます。生前、「愛犬の面倒を見てくれる人に遺産を相続したい」と周囲に話していたそうですが、愛犬は野崎さんが事件に遭う18日前に亡くなり、人間の家族のように訃報広告を元妻である被告と連名で地元紙に出していたそうです。負担付遺贈の件もあり、愛犬の死を不審視した警察によって野崎さんの自宅の庭に作られた愛犬の墓から遺骸を発掘して検視するという異例の捜査が行われたとのことですが、野崎さんの死因である覚醒剤の検出はなかったとのことで、犬ということもありこれ以上の捜査は打ち切られました。筆者は愛犬についても絶対何かあるのではないかと思うのですが、あくまで憶測にすぎません。

民法:相続に関するその他の権利

第1028条〜第1050条(「配偶者の居住の権利」「遺留分」「特別の寄与」)

配偶者居住権
被相続人の財産である建物に相続開始(被相続人の死亡)まで同居していた配偶者について、配偶者が終身にわたって無償で使用収益する権利を得ることを配偶者居住権といい、たとえば建物の所有名義が子や本人又は配偶者の直系尊属などでもこの権利を取得することができる場合があります。

配偶者の実家は義父母の2人暮らしであったところ、昨年に義父が亡くなったため、義母が配偶者居住権を得ることができているはずです。

遺留分
兄弟姉妹以外の相続人が受け取ることができる遺産の割合であり、これを侵害する遺言や遺産分割の場合には、遺留分侵害額について請求することが可能です。直系尊属のみが相続人である場合(配偶者や子がいない場合)には法定相続分の各相続人の割合の3分の1、その他(配偶者又は子がいる場合)は法定相続人の各相続人の割合の2分の1となります。

特別の寄与
相続人以外で被相続人の介護などをしていた者(比較的わかりやすい例としては嫁・婿など)は、相続人に対し特別の寄与に対する財産の分与を請求できます。

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