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43日後に行政書士試験を受ける人 「民法:債権」


本日は債権について、フリマアプリや借金の保証などという具体例を想定して学んでいきたいと思います。

「民法:債権①フリマアプリ」「民法:債権②借金の保証」「民法:契約」「民法:不法行為」の4本です。それらに関連した事柄についても触れていきます。債権というと借金を連想するかもしれませんが、例えば品物の売買でも互いに債権と債務が発生しています。

民法:債権①フリマアプリ

第399条〜第426条(「債権の目的」「債権の効力」)
ある個人間取引アプリで、出品者Aの出品している品物aを購入者Bが購入しました。購入者Bは支払い方法としてコンビニ払いを選択し、まだ代金を支払っていません。
このとき、出品者Aは購入者Bに代金の支払いを求めることができる債権および、引渡しまで善良な管理者の注意(善管注意義務)を持って品物aを管理し引渡す債務が発生します。同様に、購入者Bは出品者Aに(実際にはこの場合は利用しているアプリを介することになりますが)代金を支払う債務および、品物aの引渡しを求める債権が発生します。
購入者Bが期限内に代金を支払い、出品者Aが問題のない物品を引渡して取引が無事に完了し、互いの債権と債務は弁済により消滅しました…となるのがいいのですがそれでは記事にならないので、様々なトラブルが発生したパターンを考えてみましょう。

債務不履行の責任
履行遅滞
:購入者Bが期限内に支払いを行わない、出品者Aが期限内に発送しないといった、一般的にはいわゆる期限切れ(債務の履行が遅れた場合)。
履行不能:購入確定後に出品者Aが品物aが使い物にならない破損や不備に気づいたなど、取引の継続が不可能な状態(債務の履行が不能であるとき)。
受領遅滞:購入者Bが長期間の不在などにより品物aを受け取ることができず、出品者Aに返送された状態(債権者が債務の履行を受けることができない場合)。この場合、返送された品物aに対しては自己の財産に対するのと同一の注意をもってその物を保存すれば足りる。購入者Bが再送を依頼した場合、その送料は購入者Bに請求できる。
(注)履行遅滞・受領遅滞が起こっている間にどちらの非でもない履行不能(輸送中の事故による破損など)が生じた場合には、そのときに責任を負うべき側が履行不能の責任を負うとみなす(※1)
(※1)何度も書いていますが、法律に「みなす」と書いてあったらゴネる余地はありません。

このような場合、民法上は債務不履行の責任を負う側に対して債権者が履行の強制や損害賠償の請求をすることができる…のですが、よほど高価な品物でもない限り現実的ではなさそうなので、後に述べる「契約の解除」が現実には行われます。

民法:債権②借金の保証

第427条〜第465条(「多数当事者の債権及び債務」)
これは俗にいう連帯保証人と保証人の違いといった、一般的に想像される借金に関わる債権と債務に関係があります。
筆者は大学を卒業した時点で500万円近い借金を抱えています。配偶者もほぼ同様です(これだけ書くととんでもない経済状況に見える)。なんのことはない日本学生支援機構の奨学金という名の、超低金利の教育ローンです。低金利すぎて返済していて心配になるくらい低金利です。
名前はきれいですが借金なので保証人がいります(例外もあり、配偶者は「機関保証」を用いています)。これを例に出します。

筆者が奨学金を借り入れました。
このとき、筆者(債務者)が債務を履行しない時に備えて、同一の債務を負う保証人を選任します。保証契約は書面でしなければ効力を生じませんが、電磁的記録であっても書面とみなすこととされています。
民法上は保証人を選ぶ義務がある場合「行為能力者」「弁済をする資力を有する」ことが条件ですが、日本学生支援機構の規約に従い、原則として連帯保証人は「父母(親権者または未成年後見人)」、保証人は「おじ、おば、既に独立している兄弟姉妹など本人及び連帯保証人と別生計の親族」です。連帯保証人として父、保証人として伯父に書面を書いてもらいました。

債務者である筆者が奨学金を返済できなくなりました(イヤな設定だな…)。あくまで設定です。現在に至るまで一度たりとも延滞したことはありません。
このとき、連帯保証人である父には、債務者への催告や執行をすることなく、債権者が債務の履行を請求することができます。債務者に催告をすべき旨を請求する権利はありません。恐ろしいですね。ちゃんと返済します。
一方、「連帯」のつかない保証人である伯父は、債権者に対して、債務者に催告をすべき旨の請求や、まず債務者の財産に執行をするための証明をすることができます。「連帯」がつくかどうかで責任の重さが随分違います。
保証人である伯父は、他の債務者(連帯保証人は別として、主たる債務者)と同じ割合の義務を負うため、実際には保証人への請求額は主たる債務者本人に対するものの2分の1となります。これを「分別の利益」といいますが、原則として保証人から申し出ないと適用されません。
保証人である伯父が、「分別の利益」を申し出ることなく債務を弁済したとします。このとき、保証人には、債務者に対してそのために支出した財産の額を請求するか、連帯保証人に対して保証人の負担分を超える額を請求する「求償権」が生じます。
わざわざ日本学生支援機構のサイトにも書いてあります。筆者は第二種を借りていましたが第一種(無利子)も同じです。ちゃんと返済します。
参考リンク:第一種奨学金の人的保証制度

その他、
債権の譲渡(第466条〜第469条)
債務の引受け(第470条〜第472条)
債権の消滅(第473条〜第520条)
有価証券(第520条)
があります。第520条が2回出てくるのは誤字ではありません。

民法:契約

第521条〜第696条
俺っちと契約して仮面ライダーに変身しようぜ!!!
実は知的財産権とも関わりが深く、日常的にも関わりが深いものです。
「契約の締結及び内容の自由」、また契約には原則として当事者の意思表示と承諾のみが必要(諾成・不要式契約)とされています。また、契約の解除についても意思表示によって足ります。怪しい生物と契約して魔法少女に変身するとか自分に宿る悪魔と契約して仮面ライダーに変身するとかは…あまり適法ではない気がします(?)。

「民法:債権①フリマアプリ」の例で言えば、出品者Aまたは購入者Bが債務不履行の場合、相当の期間を定めてその履行の催告をし(実際にはフリマアプリなら本人が催告せずともフリマアプリが代わりに催告してくれます)その期間内に履行がない場合、履行不能の場合、一定の期間内の履行が必要なものの期限が切れている場合(サービスによっては規約違反ですが期限付きのクーポンやチケットの期限切れ)などには契約を解除できます。この場合、相手方を契約前の原状に回復させる(返品・返金など)が必要になります。

次のような契約が定められています。
贈与:無償で相手にある財産を与えること。書面によらず履行前なら各当事者が解除できる。
売買:財産権を代金の支払いによって移転すること。特に不動産など多額の場合、履行前は買主は手付放棄、売主は手付の倍額提供により契約を解除できることを定めている。売主の契約不適合責任も定められているが、特約で免責されることも多い。フリマアプリの例のような少額の動産の売買なら、代替物や不足分の引渡しが現実的に行われるかもしれない。
買戻し:不動産の買い戻しについて定められている。
交換:金銭以外の財産権の交換による契約。
消費貸借:個人間での無利息の金銭やその他の物(主に消耗品が想定される)の貸借契約。
使用貸借:消費貸借や賃貸借にあてはまらない、主に単純な物の貸借契約。
賃貸借:いわゆる住宅などの賃貸借契約。これだけで1記事書けるくらい重要なことが多いが、ここでは割愛。
雇用:人を雇って報酬を与える契約。
請負:他社やフリーランスなど、雇用関係にない相手に仕事を発注して報酬を支払う契約。これもこれだけで1記事書けそう。
委任:手続などの法律行為を他者に委託する契約。実際には委任状を書くことが多いが、民法上必要ではない。
寄託:物の保管を委託する契約。
組合:各当事者の出資による契約。
終身定期金:定期に金銭などを給付する契約。
和解:当事者が互いに譲歩して紛争をやめる契約。一般的には民事訴訟や人事訴訟(家庭裁判所で扱われる離婚や親子関係などに関する訴訟)に関わる。

また、事務管理(第697条〜第702条)は一般的な意味とはかなり異なりますが、例えば他人が放置した遺失物などを義務なく管理し、適切な措置をとることについて定めています。

民法:不法行為

第709条〜第724条
債権・債務は原則として互いの意思表示によって生じるものですが、意思表示によらず生じるのがこの「不法行為」であり、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、損害賠償責任という債務を負うことになります。また、被害を受けた側にも損害賠償を請求する債権が生じます。
順番は前後しますが、第703条〜第708条には「不当利得」が定められ、他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者はそれを返還する債務が生じます。
民事訴訟は主にこの「不法行為」に対する損害賠償を求めるものであり、財産以外の損害を賠償しなければならないということ、過失相殺、名誉毀損における原状回復などについて定められています。編み物ユーチューバー著作権裁判でも被告に「故意又は過失」があったか、原告の「権利又は法律上保護される利益」が侵害されたかどうかが最終的な争点となります。筆者は両方あてはまると思います。
また、共同して不法行為をおこなった者がいた場合には連帯して損害賠償責任を負うとも定められています。この「共同行為者」には教唆や幇助も含まれるとのことなので…はい。被告が2名というのはそういうことですね。

なお、被害を受けた側の損害賠償の請求権にも消滅時効があります。
「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間(人身傷害の場合は五年間)行使しないとき」かつ「不法行為の時から二十年間行使しないとき」と改正されました。

明日は「民法:親族」です。いろいろなことに真正面から向き合いたいと思います。

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