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【保存版】プロバイダ責任制限法に基づく削除請求の対処法


何度も言及する予定にしていましたが、筆者の個人サイトでいくつかの記事に分散していた情報をこの記事にまとめます。筆者の個人サイトの前身はAmebaブログですが、他の無料ブログサービスでもプロバイダ責任制限法に基づく措置なのでほぼ同じ流れだと考えられます。身に覚えのない削除請求に困った場合にぜひ参考にしてください。

「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、通称「プロバイダ責任制限法」は、プロバイダ(動画・ブログなどのサービスの提供側)がその法律に従った措置を取れば、個々のユーザーが発信した権利侵害が疑われる情報に関して責任を問われることはないとする法律です。
参考リンク:プロバイダ責任制限法 関連情報webサイト

これは日本の法律なので、YouTube、Twitter、Facebookなど海外に本社のあるサービスでは本社の所在する国の法律に従った措置が取られることになります。今日ちょうどTwitterやFacebookの運営があるアカウントに対して取った措置を見て「アメリカではプロバイダがそこまでできるのか…!」と思いましたが、日本では同じようなことはできません。当然ながら良し悪しを論ずる意図はなく、こういう違いがあるということを実感しました。

さて、プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置、いわゆる削除請求を受け取ったとき、どのような対処をすればいいのか見ていきましょう。

1. サービスプロバイダに対する申し立て

権利侵害されたと思った人物・団体(以下、申立人とする)が所定の書類を揃えて申し立てを行います。申し立てには、「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」「印鑑登録証明書」「身分証明書の写し(個人の場合は運転免許証など、法人の場合は登記簿謄本など)」が必要です。

2. サービスプロバイダによる審査

この時点で申立人の権利が侵害されていると信じるに足りる相当の理由がある場合、プロバイダ責任制限法に基づいて削除されます。よく問題になるケースとしては、男性アイドルが多く所属する某有名芸能事務所の芸能人の写真をブログで使用した場合などが挙げられるようです。もちろん他の芸能人の写真もむやみに無断で使用してはならないのですが、ここについては特に目をつけられやすいとされています。また、本人ではなく代理人弁護士による申し立てである場合は根拠が明確であり、削除される可能性が高くなります。この段階で削除されたら、自分がうっかり権利を侵害してしまったことを認め、誠実な対応を取ったほうがいいと思います。

理由の特定が困難である場合、次のステップに進みます。多くの場合は「申立人にとって都合の悪い情報」がこれにあたると考えられます。ここでの対処が明暗を分けることになります。

3. 情報発信者への意見照会

理由が不明な場合、情報発信者への意見照会が行われます。メールの文面は無断転載禁止のため引用できませんが、「違反として削除を促すものではない」という旨が明記されています。

プロバイダ責任制限法により、7日間の期限内に返信しない場合にはコンテンツが削除されてしまいます。判断は情報発信者の自由ですが、記事が黙って削除されるのが我慢できないのであれば、同意しない旨を明記して返信してください。Amebaカスタマーサービスからは「内容を承った」という旨の返信のみが届き、この時点で削除されるかされないかは不明でした。

同意しない旨を返信してもそれは判断材料の一つになるだけなので、削除されないと断定されたわけではありません。不安な場合はバックアップを取る、サイトを移転するなどの他の対処を並行して進めるといいかと思います。

4. 送信防止措置の決定

1.〜3.の手続きから、サービスプロバイダが送信防止措置を講じるかどうかを決定し、結果を申立人に通知します。

まとめ

昨年は誹謗中傷が取り返しのつかない結果を招く大きな問題が起こり、多くの人がインターネット上の誹謗中傷に関心を持つこととなりました。プロバイダ責任制限法はそういったインターネット上の違法・有害情報に対処するための重要な法律です。しかし、俗に言う当たり屋のような、あえて炎上を煽る言動をしてそれに物申す人に示談金を支払わせる「誹謗中傷示談金ビジネス」を持ちかける人物やら、誹謗中傷ではなく単に自分に都合の悪いだけの情報を削除させようとする人物やらに、本来は被害者とサービスプロバイダを守るための法律が悪用・濫用されないようにすることも大切だと思います。権利の濫用を防ぐためにも、不当な申し立てには厳正に対処しましょう。

Posted in リテラシー・権利侵害全般