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プロバイダ責任制限法とは


「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、通称「プロバイダ責任制限法」について扱います。

プロバイダ責任制限法とは、以前紹介したアメリカのデジタルミレニアム著作権法、通称DMCA(参考リンク:YouTubeのしくみ「ノーティスアンドテイクダウン」を知る )と同じ役割を持つ日本の法律であり、この法律に従った措置をとれば、動画やブログなどのサービスの提供側は個々のユーザーが発信した権利侵害が疑われる情報について責任を問われることはないとする条件を定めています。
参考リンク:プロバイダ責任制限法 関連情報webサイト

本日のサムネイルは「プロバイダ責任制限法 関連情報webサイト」より引用いたしました。DMCAと異なるのは、ノーティスアンドテイクダウン手続ではなく、「動画・ブログなどのサービスの提供者(プロバイダ)が他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由の有無を判断する」「判断がつかない場合は発信者に意見照会をおこなう」と、ノーティスアンドテイクダウン手続と比較してワンクッションもツークッションもある方式が法律で認められている点です。なお、当サイトでは、日本とアメリカの法律や制度の良し悪しを論じる意図はなく、「こういう違いがある」というところを示す目的です。

先日の参考リンクとして載せていた日本の総務省のサイトによると、日本ではアメリカに比べて、表現の自由や表現の匿名性を非常に重視しているため、ノーティスアンドテイクダウン手続の導入には極めて慎重になっていることがわかります。
参考資料:ノーティスアンドテイクダウン手続について

日本ではタレントのスマイリーキクチさんが無関係の事件の犯人と誤認されて誹謗中傷され名誉回復に時間を要した事件、有名ブロガーによる誹謗中傷に関する注意喚起に逆恨みしたことが原因の殺人事件もかつて発生しました。今年に入ってから、誹謗中傷が原因として想定されている女性プロレスラーの自殺といった、インターネット上の誹謗中傷による取り返しのつかない事件への対応として、総務省が誹謗中傷対策を強化する意向を表明し、実際に発信者情報開示の在り方に対する研究会が開かれ、法整備へと進んでいます。発信者情報開示についても定めたプロバイダ責任制限法も、今後は改正される可能性があります。

本当に誹謗中傷の被害に遭った人にとって、被害を訴えやすくなる、対応しやすくなるのは好ましいことです。しかし、気に入らないコンテンツや情報を消すために安易に誹謗中傷への対応システムを濫用するようなユーザーが出てくる可能性を考えると、被害者の救済措置とシステムの濫用の防止との折り合いをうまくつけられるように改正されることを願います。

というか、私の個人サイトの前身において本当に濫用されました。そのことについてはまた日を改めてお伝えしたいと考えています。

Posted in リテラシー・権利侵害全般