今までは被害にあったときの対策や被害を未然に防ぐための対策を扱ってきましたが、実はこの「加害者にならないために気をつけること」も多くの人にとってかなり重要であると考えています。
今までの被害対策をある程度逆手に取ると「加害者にならないために気をつけること」が浮かび上がってくると思います。
加害者にならないために(1) 人に自分の意見や考え、独自のルールを押し付けない
「自分の意見を主張する」まではいいのですが、インターネット上ではよほど利害が衝突するような事態でもない限り、わざわざ見ず知らずの相手に自分の意見を押し付ける必要はありません。何かに対する考えが違っていれば違っているで、そのままでいいと思います。
また、人が自分の意見と違うことを主張しているだけでその考えを押し付けられていると感じたり、むやみに反論したくなったりするのは自分のほうに余裕がなくなっていて、人に自分の意見を押し付けようとしている状態かもしれません。落ち着きましょう。
利害が衝突したり、放置すると自分や周りの人に被害が及ぶような状況になったり…という段階までこじれていると相手に考えを理解してもらうのは難しいと思います。そこまでこじれているトラブルがあればサービスの規約やその根拠となる法律が最優先です。
加害者にならないために(2) 人と比較しない、妬まない
「いいね」の数、リツイートの数、フォロワー(登録者・友達)の数、再生回数…多くの使用者のいるサービスには数値、あるいはそれ以外でも人と比較してしまう要素がたくさんあります。自分が誰々より上だの下だの、インターネット上ではそういったものが小競り合いやトラブルの火種になることが多いように思います。顔が見えないインターネットなので、なるべく世代や社会的な立場と関係なく少なくとも対等として敬意を払って接するのが無難であるように思います。むやみな人との比較や他のユーザーへの妬みをこじらせ、迷惑行為や犯罪行為に至るケースも今や珍しいことではありません。
筆者はその手の迷惑行為(学歴?)に遭ったことがあるのですが、筆者自身がTwitterのフォロワーの大半より学歴が低い(大学院に行っていない)ことを密かにコンプレックスだと感じているのでかなりもやもやとしました。そういったコンプレックスを原因に人に対して迷惑行為をするのは理解できません。
加害者にならないために(3) 自分が正しいと思い込まない
(1)とややかぶる気がしますが、自分が正しいと思い込んでしまうと過激な言動をしがちだと思います。今までに問題となった誹謗中傷の加害者(インターネット黎明期で有名なところではスマイリーキクチさん誹謗中傷事件など)は、法的に制裁を加えられてもなお自分の言動が正しく、被害者は言われて当然のことをしていたから仕方ないと思い込んでいるケースがありました。
多くの場合、きちんとした教養や専門知識のある人ほど「絶対」「必ず」という表現は避ける傾向にあります。安易に自分が絶対に正しいと思い込んだり、他の人のそういった主張を信じたりするのは本当は自信がないからだと思います。
絶対、必ず、0か100かで済むような簡単な話はそうそうないので、自分がそのような表現を使うのはもちろん、安易にそのような表現をする人の主張を信じるのも避けたほうがいいと思います。ちなみに筆者が当サイトに書こうと思う基準は感覚として50%以上くらいの自信を持って主張できることくらいです。意外と低いですね。
「自分にも間違うことや他の人に受け入れられないことがよくあるかもしれない」くらいに思っていたほうが人にあらぬ攻撃をする必要がなくなって気が楽になります。
まとめ
唐突ですが、筆者の好きな有名人はカズレーザーさん、好きな有名悪魔はデーモン閣下です (また?)。
見た目も言動も目を引く方々ではありますが、むやみに人を煽動するようなことはせず、何か俗世間から少し距離をとった目線で正しさの押し付けではない主張をされるところも尊敬しています。そして筆者自身もそうありたいと思っています。
嫌がらせやネットいじめ、誹謗中傷に関しては被害対策ばかりが重視される傾向がありますが、「自分が加害者にならないための対策」も必要だと思います。
「押し付けない」「比較しない」「正しいと思い込まない」ということを心がけ、自分が加害者になりうる言動をとっていないかを振り返ってみましょう。