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インターネット老人のぼやき #9 「日本のYouTube文化が新しい段階へ到達した瞬間」


体調不良と資格試験勉強のため、投稿を2週間ほど休止してしまい申し訳ございません。お久しぶりです。

本来ならFP実技の勉強過程も載せたほうがよかったのですが、今回の受験を休もうかとも思っていたところで直前に勉強を再開したので、心身の状況に余裕がありませんでした。おそらくなんとか合格点は取れていると思いますが、確実なことは発表までわかりません。

今日は筆者の個人的な思いの強い、俗に言う懐古厨らしい文になりそうなのでこのカテゴリです。

2000年代のYouTube

筆者はGoogle買収前の2006年初めごろ(当時中学生)、現在当サイトでやっていることからして大きな声では言えませんが簡単に言えば日本の規制が及ばない無法地帯だった頃からYouTubeを見ていました。当然ながら当時は日本語表示はなく、特にユーザー登録もせずに見たい動画をそのつど検索して見ていたと思います。

現在は多くのアーティストや音楽レーベルが違法アップロード対策も兼ねて公式MVをアップしていることが多いですが、日本ではYouTubeがGoogleに買収されて間もない2007年に山崎まさよしさん、スガシカオさん、秦基博さんなどの有名アーティストが所属するオフィスオーガスタがいち早く公式チャンネルを開設しました。当時は高校生でややインターネット離れ気味でしたが「ついに後ろめたくないものが見れる」とは思いました。スガシカオさんの「19才」MVを見ようとしたらMVなのに年齢制限で弾かれてしまい(MVですが過激な表現があることで知られています、当時はPVとも言われていましたがプロモーションできない…!!)、年齢制限を通過するために18歳になってから初めてユーザー登録したと思います。受験勉強しろよ。そして大きな声では言えないけどまだ17歳だったかもしれない。

とはいえ、当時の日本ではYouTubeの使い勝手は今と比較するとあまり良くなかったためニコニコ動画が人気だったこと、スマートフォンが普及する前で高画質な動画を個人が制作してアップロードするにはは通信速度やカメラ・パソコンのスペックなど専門的な機器やスキルを必要としたこと、YouTubeの動画閲覧にはユーザー登録が不要であることなどから、わざわざYouTubeのためにGoogleアカウントを取得して動画を見たり、チャンネル登録したり、ましてや動画を投稿したりする人はそう多くはなく、そこまで増えることもないと勝手に思っていました。まさかYouTubeで生計を立てられる人々が出てくるなど想像もしていませんでした。

そこから十数年の時が経過する

筆者が幼い頃、「この時代にまだ存在しない職業が10年後、20年後には子供のなりたい職業ランキングに入っているかもしれない」ということは言われていましたが、まさかYouTubeがその職業を提供する場になるとは思ってもいませんでした。そんな短期間で新しい職業が生み出されることはあっても、子供が憧れる知名度や人気や収入があり、尊敬されるような人柄で、そして大人から見ても(収入が不安定な職業や才能に恵まれないとなれない職業が子供に人気というのは今に始まったことではないので)子供の模範となりうる人物がその職業を代表・牽引する状況は簡単には想像がつきません。

しかし、現実は想像を超えてきました。2021/09/10の昼過ぎのことです。本来この1000万人突破ライブ配信が予定されていたのは2021/09/11のことで、しかも「耐久生配信」として数時間もの配信を予定していたところ約10分ほどで終わってしまいました。HIKAKINさんご本人やUUUMスタッフの皆さんにとっても現実は想像を超えてきたとのことです。筆者も当のライブ配信を見ることはできず、微力ながら医療従事者支援の募金(ライブ配信のスパチャ寄付先)をするにとどまりました。

関連リンク:YouTubeチャンネル「HikakinTV」登録者数が1000万人を突破!

YouTubeという英語圏中心の場において、世界でたった1億人ちょっとにしか言葉の通じない日本人は圧倒的に不利です。ほんの数年前まで、「日本人がダイヤモンドクリエイターアワード(登録者数1000万人)」を達成するなど有り得ないと思っていました。より厳密にはHIKAKINさんや後に続く人気YouTuberの皆さんの実力や努力と関係なく、「日本人のほぼ10人に1人がYouTubeで動画を閲覧して、閲覧するだけにとどまらずアカウントを持って、チャンネル登録を使いこなすほどYouTubeをよく利用するユーザーになる」という状況が現実になると思っていませんでした。

なお、厳密には先月までに既に日本のキッズ向けのチャンネル2つがダイヤモンドクリエイターアワードを達成していますが、キッズ向けの動画は比較的言葉がわからなくても楽しめる傾向があるので性質を異にしていると考えています。これらのチャンネルについて「登録者を購入している」などという噂がありますが、そのようなことをしたとYouTubeが判断した場合は数を満たしていてもクリエイターアワードの対象とならないので滅多なことは言わないほうがいいと思います。これは登録者数10万人のシルバークリエイターアワード「銀の盾」、登録者数100万人のゴールドクリエイターアワード「金の盾」も同様です。

最近では人気YouTuberランキングの大半を芸能人が占めていることに思うところがある人もいるようです。しかし、登録者数1000万人を芸能界や他のインターネット上のサービス上(いわゆるニコ生主などからYouTuber転身など)で元々知名度があった人物ではなく、純粋にYouTubeという場で日本人を主なターゲットとして知名度や人気を獲得した人物が達成したことにも意義があると思っています。かつてはHIKAKINさんもニコニコ動画で動画投稿や生配信をしていた時期もありますが、あくまでその頃からYouTubeを活動の中心にしていたと考えられます。

チャンネル運営者やMCN(この場合は所属事務所のUUUM)からチャンネル登録者の国別の内訳などの詳細はある程度確認できるのですが、ご本人のお言葉によればチャンネル登録者の98〜99%は日本人と考えられるとのことです。繰り返しになりますが、日本語で日本人をターゲットとしたチャンネルが登録者数1000万人を達成するのはもはや本人の実力や努力だけではどうにもならない、日本人のほぼ10人に1人がYouTubeで用いるGoogleアカウントを持っていて、チャンネル登録を使いこなすほどのユーザーになるまでに日本で普及するという条件が必要になってきます。これは1人の日本人YouTuberが登録者数1000万人を突破したというだけのことではなく、日本のYouTube文化そのものが新しい段階に到達したという意義のあるできごとであると、YouTubeをごく初期から利用していた筆者にとっては感慨深く思っています。タイトルの割に「瞬間」を目撃することはできませんでした。申し訳ございません。

とはいえ、これだけ多くの日本人YouTubeユーザーがいるとなると、このようないい話ばかりではなく、残念ながらネットリテラシーの低い人も増えてきて日本人ユーザー同士のトラブルも起こりやすくなってしまうと思います。様々なユーザーがより安心して利用できる状況になることを願っています。

Posted in リテラシー・権利侵害全般

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