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本来、SNSってこれが正しい


最近のインターネット、特にTwitterなどSNSの利用者を見て気になるのは、「自分が苛立つための情報をわざわざ見に行ってわざわざ怒る人の多さ」です。

「自分が苛立つための情報をわざわざ見に行ってわざわざ怒る人」はコロナ禍やオリンピックに関連してより増えている傾向がありますが、ここで悪い例をいちいちあげつらっても仕方がないので、良い例を挙げます。

俺がいちばんSNSの正しい使い方をしているのでは(野田クリスタルさん)

お笑い芸人としても実力派であるだけではなく、ゲームプログラミングやスポーツジムの開設など多彩な活躍をする野田クリスタルさんは、ハムスターを飼っていることでも知られています。芸能人にしては珍しく(?)、Twitterのアイコンすらも本人ではなく、ハムスターに設定されています。

芸能人が知識不足で生き物を飼い始めるなど、一歩間違えれば批判の的、最悪の場合は炎上も起こりうることですが、野田クリスタルさんはTwitterにハムスターや飼育環境をアップするのを「情報収集のため」とし、受けた指摘を真摯に受け止めて回し車を大きなものに買い換える、フードを見直すなどということをされています。そのおかげなのか、ハムスターの投稿に対するリプライはTwitterで有名人に対してよく見られるような無駄な攻撃性や言葉遣いの悪さのないきちんとしたアドバイス、「かわいい」「素敵」などといったコメント、そして便乗するかのようなうちの子自慢(ハムスターがメインですが時々他の生き物も?)の3種類が多く、もはや一般のハムスターの飼い主さんにとっても有益な情報が集まる場になっています。インタビュー記事において、自ら次のような発言をされていました。

本来、SNSってこれが正しいんじゃねぇかって。俺がいちばんSNSの正しい使い方をしている可能性も上がってきてますね。

はむはむを溺愛する野田クリスタルの 日常と切実な願い“1日でも長く一緒に” 

今回のタイトルはこのお言葉から取らせていただきました。確かに、自分の好きなもの、大切なもののためにSNSを使うというのは、より正しい使い方であると思います。

正しい使い方とは

現代ではSNS・広告・YouTubeなどで、自分が見るものに合わせて様々なコンテンツがおすすめされるシステムが一般的です。筆者はTwitterで対象がたとえ好ましくない行動をした人であろうと攻撃性の高いトレンドで埋まるのに辟易し、ひたすらハリネズミや犬や猫の画像を見るか、おいしいものを探すかしていたところ、動物関連のネットニュースやら簡単レシピの情報やらばかり出てくるようになりました。Twitter・Instagramでは広告投稿も出てきますが、それすらリラックマやらすみっコぐらしやらシャーマンキングやら、あるいはカズレーザーさんを起用した広告、Instagramではカジュアルバッグの販促やオンライン手芸教室の案内など、要するに筆者に一切の不快感を起こさせないものが出てきます。転居準備していた頃は不動産広告が多かったのはやむなしとして、広告は調教するものと考えています。YouTubeについては、やはりハリネズミや犬や猫などを見ていたところ、坂上忍さんのチャンネルの動画がおすすめされて口が悪いイメージとの違い(失礼?)に驚いたのですが、騙されたと思って見てみたらおすすめも納得の内容でした。
そして、こういったものは自動的なものにとどまらず、好きなものにばかり言及していると、フォロワーさんから、公開アカウントの場合は時には全く見ず知らずの人から、好きなものに関する情報や自分が得たい情報がほとんど何もしなくても自分のところに集まってきます。おそらくこれが「正しい使い方」というものだと思います。

ところが、自分が苛立つための情報をわざわざ見に行ってわざわざ怒ることを繰り返しているとどうなるでしょうか。そうすると、自分にとって苛立つようなイヤな情報がおすすめされてまたそれに対して怒るという悪循環に陥ってしまいます。怒るというのは非常にエネルギーを消耗することなので、見ず知らずの他人や自分には直接は関係しないことに対してそんなエネルギーを浪費せず、自分がやむなく何かしらの当事者や利害関係者になってしまったときのためになるべく温存しておいたほうがいいと思います。

かつては自分の好きなもののためにインターネットを利用する人が大多数を占めていたので、わざわざイヤなものを見に行ってわざわざ怒る人が増えているのはなんだかそれなりの古参ユーザーとしては息苦しさを感じるというのが本音です。個人的には最近のTwitterではテレビ番組の放送時間にトレンドが誰かの「推し」で埋まっているときが一番安心します。どうせなら好きなもののためにインターネットを利用する人が増えたほうが居心地は良くなると考えています。

Posted in リテラシー・権利侵害全般