当日にアップした記事にチラッと記載していた、「被告代理人がギリギリに送付した証拠があったようで、そのコピーに書記官の方が出入りしていました。なかなか始まらず大変そうでした。」について特に掘り下げていなかったのでそれについて書きます。
当日の記事はこちらをご覧ください。
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13:30開廷で、まず陳述書と証拠を裁判官が確認していました。当日の記事に「被告代理人がギリギリに送付した証拠があったようで、そのコピーに書記官の方が出入りしていました。なかなか始まらず大変そうでした。」と書いていた通り、被告代理人が期日ギリギリに送付して少なくとも原告代理人の手元にない証拠があり、そのコピーのために書記官の方が出入りしていました。
裁判官と書記官の会話や、被告に対する尋問の内容によると、このギリギリに提出された証拠は「YouTubeチャンネルに対する事前警告」に関するものであるとのことです。特に非公開のものではなく、誰でも閲覧できるものなので該当のリンクをつけます。
関連リンク:コミュニティ ガイドラインの違反警告に関する基礎知識
YouTubeヘルプです。
この記事では、コミュニティ ガイドラインの違反警告についてご説明します。コミュニティ ガイドラインの違反警告は著作権侵害とは異なります。著作権侵害の警告について詳しくは、著作権侵害の警告に関する基礎知識をご覧ください。
「コミュニティガイドラインの違反警告」とは、YouTubeのガイドラインに違反する有害なコンテンツ、例えばスパム・詐欺・センシティブな内容・暴力・ヘイトスピーチ・ハラスメント・ネットいじめなどを原因とする違反警告のことで、上に書いてある通り著作権侵害の警告とは無関係です。例えば、2020年に迷惑YouTuberとして刑事告訴され、先日刑事裁判で懲役を求刑された人物がいますが、この人物は逮捕・起訴より以前に他のYouTuberに対する一方的なコラボ強要などの執拗な迷惑行為により、「ハラスメント・ネットいじめ」に関するコミュニティガイドラインの違反警告を3回受けたことによってYouTubeチャンネルを削除され、その後何度チャンネルを作り直してもいたちごっこ的に複数回チャンネルを削除されています。実質的なYouTube永久追放、俗に言う出禁のような状態です。
関連リンク:「矯正教育が必要」へずまりゅうに懲役刑を求刑-産経ニュース
筆者が察するに、被告当事者が期日ギリギリに提出してきた証拠を被告代理人が精査する余裕もなく転送し、原告代理人が受け取れていなかったため、なかなか裁判自体が始まらない状況になったようです。上に書いた通り著作権侵害申し立てや著作権侵害の警告とは一切無関係なのに、これのせいで裁判の開始が10分以上遅れました。
これを受けて、最終準備書面は余裕を持って提出するよう、裁判官から被告代理人に警告がありました。
当事者尋問について、さすがに当日の速報だけでは書ききれないことが多かったのですが、とりあえず明日を最終回にします。この3日で当事者の主張についてはまとめることができましたが、明日は筆者自身の主観がかなり多く含まれること、具体的には実際に見聞きして感じた当事者の人物像を差し支えない範囲で記事にしたいと思います。