「独自の見解」ー(もっと俗な言葉に変換)→「それってあなたの感想ですよね?」
明日2022/10/14 13:20〜大阪高等裁判所で控訴審判決言い渡しとなります。
控訴審判決までの流れは次の通りです。
第一審判決までの流れはこちらです。
関連記事:編み物ユーチューバー著作権裁判 控訴審の結審
今までと同じく、特に断りのない限り、被控訴人(原告)・控訴人(被告)にはその代理人弁護士も含むものとします。
年月日 | できごと |
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2021/12/21 | 京都地方裁判所にて第一審判決。 認められた損害賠償額は約7万円だが、判決理由では原告の主張がほとんど認められる形となる。 |
2022/01/04 | 一審被告により、大阪高等裁判所に対して控訴。 |
2022/02/23 | 一審被告による控訴理由書の提出 控訴理由の概要 ・原告は動画削除によって法律上保護される利益を侵害されたとはいえない。 ・人格的利益が法律上保護される利益とはいえない。 ・被告共同運営者YMは共同不法行為者ではない |
2022/03/15 | 一審原告による控訴答弁書・附帯控訴状の提出 答弁・附帯控訴の概要 ・原告は動画削除によって法律上保護される利益を侵害された。 ・被告共同運営者YMの当事者尋問での回答には矛盾があり、無関係とはいえない。 ・(附帯控訴)第一審で認められた損害賠償の金額は少ない。 |
2022/04/27 | 第1回弁論期日 控訴人(一審被告)・被控訴人(一審原告)の主張は上の通り。 民事訴訟の多くは控訴審1回結審が多いが、結審せず。 控訴人・被控訴人の双方に対して追加情報の提出が求められる。 |
2022/07/29 | 結審(最終弁論期日) ここまでにリモートでの追加情報の提出を経ている。 裁判官の交代、また前例のない複雑な裁判であることから判決までかなり長期間がとられています。 被控訴人(一審原告)のおもな主張 ・一審で認められた損害賠償の金額が少なすぎる。 ・一審では広告収益が動画投稿から日が経つほど減っていくという被告側の主張が部分的に認められたが、そんなことはない。 (時事に関する動画ではそういったことも多いが、編み物動画では必ずしもそうとは限らない) ・上の主張を補足するものとして、原告チャンネルYの収益のグラフデータを提出 控訴人(一審被告)のおもな主張 ・動画削除の判断はYouTubeによるものであるため控訴人に非はない。 |
2022/10/14 | 判決 13:20〜 民事訴訟では主文のみの言い渡しとなる。今回は被控訴人からの附帯控訴があるので例えば次の通り。 一審判決維持:「本件控訴及び本件附帯控訴をいずれも棄却する。」「控訴費用は控訴人(附帯被控訴人)の負担とし、附帯控訴費用は被控訴人(附帯控訴人)の負担とする。」 一審判決取消:「原判決を取り消す。」「被控訴人(附帯控訴人)の請求をいずれも棄却する。」「訴訟費用は第一、二審とも被控訴人(附帯控訴人)の負担とする。」 (↑判例を調べたところ、民事での取消はかなりあからさまな地方裁判所やらかし案件でもない限りなかなか出てこない) ただし今回は附帯控訴を伴っているので、単純に一審判決維持(原告勝訴)/一審判決取消(原告敗訴)の2択で済むとは思えない。 たとえば損害賠償額が一審より多く認められて一審より勝つ(表現としては不適切かも)など、判決に変更点がある可能性が高い。 これをふまえると最も可能性が高いのは次の通り。 原判決の変更:「原判決を次のとおり変更する。」(以下、一審判決主文のような表現) |
現状から考えると最も可能性が高いのは原判決の変更(というか「控訴棄却」「原判決取消」以外すべてそれなので当たり前)なので、単純な勝ち負けだの一審判決維持かどうかだのというより、当たり前のことですが一審より原告に有利または一審より原告に不利になる可能性の両方があるとしか言えません。
控訴審の判決文はまるで一審判決を添削しているかのようなものが少なくないので、おそらくそのような形になると思いますが、一審判決の完成度が高いのをどう添削するんだ。
控訴審の判決に不服があったら次は最高裁判所への上告があるにはあるのですが、この裁判に法律そのものに関わる問題があるとは思えないので、独自の見解ビームこと最高裁決定で棄却ということになるかと思います。