何か言いたかったけど一応これまで待ってた。
はじめに、この記事を書いた前日に、いわゆるインターネット上のデマに関する民事訴訟の判決で「高等裁判所で賠償増額」が報道されていました。
この裁判は「編み物ユーチューバー著作権裁判」としていますが、率直にいうと一審被告が一審原告に著作権を侵害されたというデマを流したも同然の事例です。デマというか動画削除という実害が発生してしまいました。
関連リンク:東名あおりデマ 2審で賠償増額
ライブ配信について
原告の支援企業「手遊び小町」からライブ配信がありました。
関連リンク:控訴審判決のご報告
一応は「著作権」とはつけていますが、どちらかといえば著作権の有無はあまり重要ではなく、一審被告が一審原告の法律上保護される利益を侵害したという、不法行為に対する損害賠償責任を問う裁判です。
なお、動画内では一審原告をはじめとした同様の被害に遭ったチャンネル、また一審被告のチャンネル名にも言及しています。
現時点で積極的に報道等はされていませんが、高等裁判所の判断ということでおそらく今後の法律を学ぶ方や士業の方に着目される判例になると考えています。
動画と同じことを言っても仕方ないのとYouTubeのシステムとして普遍的な部分については既に述べているので、以下は筆者個人の見解です。
関連記事:
編み物ユーチューバー著作権裁判 大阪高裁での控訴審判決
編み物ユーチューバー著作権裁判 控訴審判決に関する補足
現在から今後に関すること
この配信の時点で既に判決から2週間は経っていますが、上告の期限は「判決文を受け取ってから2週間」となるので判決が確定するかどうかは2022/11/02となります。
しかしわかりやすいところで言えば合憲・違憲を争うような上告で覆る性質のものではないので、この判決の重要性が今後大きく揺らぐようなことはないと考えています。
全31ページと長い判決文なので、個人情報の修正等に数ヶ月ほど時間はかかると思いますが裁判所の公式サイトに掲載されるかと思います。掲載されたら改めてお知らせします。
被告チャンネルSは今までも言動にそのような雰囲気がありましたが、最近はもうあからさまに情報商材の養分か陰謀論者のような言動になっています。一体どんな中身スカスカなコンテンツ(コンテンツというのも失礼かも?)に課金したらああなってしまうのか。
あとなんかどこかの通りすがりの人の掌の上で転がされてそうに見えますね。やらないけど筆者もやろうと思えばできるかな?
被告チャンネルSがどうなるのか
必要な注意義務を怠った過失があるといえるばかりか、前記のとおり著作権侵害通知制度を濫用したものということさえできるのであって(中略)一審被告Sが本件侵害通知を提出した行為は、一審原告の法律上保護される利益を違法に侵害したものとして不法行為を構成するというべきである。
令和4年10月14日判決
ここでYouTubeヘルプを見てみましょう。(日本語版/英語版)
虚偽の申し立てはしないでください。削除通知ウェブフォームを不正使用(虚偽の情報を提出するなど)すると、アカウントの停止や法的問題に発展する可能性があります。
著作権侵害による削除通知を提出する
Do not make false claims. Misuse of the removal request webform, such as submitting false information, may result in the suspension of your account or other legal consequences.
Submit a copyright removal request
この「misuse」は日本語版では「不正使用」となっていますが、「濫用」「悪用」の意味もあります。
法的問題にはとっくに発展しているのですが、判決文からすると被告チャンネルSはアカウント停止(いわゆるBAN)されてもおかしくない規約違反をしたと認められたということになります。
あとはYouTubeの判断次第です。