控訴の有無が確定するまで続報を書かないつもりだったのになぜこんなことになっているのか筆者が知りたいです。
判決で述べられていた被告チャンネルSの「著作権に関する独自の見解」は以下のようなものでした。例によって実際の判決文では実名の姓ですが「被告S」とします。
被告Sは、編み方が同一又は類似のものを説明する動画であれば、先行して動画を投稿した被告Sの著作権を侵害するものとなるとの独自の見解に基づき、複数の投稿者に対し、繰り返し著作権侵害通知をしていたと認めるほかはなく、原告に対する著作権侵害通知も、その一環として行われたと認められる。
これだけでもあまりにも問題のある「独自の見解」なのですが、被告チャンネルSがさらに飛躍した独自の見解を示していることが明らかになりました。
いや、この問題を当初から見ている人にとってはそんなのもう知ってるよ…というところもありますが、ここまで開き直っているのを見るのは初めてなのと、一応は見過ごせないことが記載されていたので取り上げます。
被告チャンネルSよりずっと再生数も多いので放置したところでたいした不利益にはならないとは思いますが、こちらの動画(イタリア語)の一部を被告チャンネルSが模倣し、それをチャンネル主の方が指摘し削除を勧告したところ、とんでもない長文(見た通りGoogle翻訳そのまま…?)で返信しています。他の言語から日本語に翻訳するとなかなかにトンチキな感じ(?)になるので、おそらく日本語→イタリア語でも同じようなもので元の動画のチャンネル主の方も随分と困惑しているだろうと思います。
本日のサムネイルは元の動画です。何か問題があれば差し替えます。
関連リンク:MAGLIA UNCINETTO TOP DOWN “ARMONIA D’INTRECCI”
もはや古き良きインターネットで流行した再翻訳のようなおかしな文章としてしか解読できませんが、判決文における上に挙げた「編み方が同一又は類似のものを説明する動画であれば、先行して動画を投稿した被告Sの著作権を侵害するものとなるとの独自の見解」のみではなく、「別の動画を模倣している動画であっても、被告Sが著作権侵害でないと言えば元の動画を侵害するものではないという独自の見解」が明らかになりました。
そんなことなら今更どうでもいいのですが、その長文の返信の中に見逃せない言葉がありました。
ricorso all’Alta Corte
→(日本語訳)高等裁判所に上訴
!?
「上訴」というのは「控訴」「上告」等を含む総称なのでそこまで深入りするところではないです。
前後に「被告Sの申し立てが(日本の)地方裁判所で敗訴した」「特許を取得できた」などという文脈で自分の正当性を主張しようとする例の流れに見えるので真偽の程は現時点では定かではありません。当初は認められた賠償額が少ないから被告が負けたと思っていない、控訴を勧めたら嫌がらせになるという反応だったので、外国語とはいえ「敗訴」という言葉が出てきただけでも意外ですが、被告チャンネルSが模倣を指摘されたらこの判例を自分に有利なように扱おうとするのかというのは非常にモヤモヤします。
一応この件は後日談扱いで固定URLを決めたのですが、そこはまだ確定しないところなので分かり次第お伝えします。
元の動画のチャンネル主の方は(あまり頼りにならないGoogle翻訳を通してとはいえ)大変お怒りのご様子に見えるので、もしかしたら被告チャンネルSの動画が少なくとも被告チャンネルSがおこなったものより正当性の見受けられる著作権侵害申し立てによって動画が削除される可能性もあります。因果応報って本当にあるんですね。