とりあえずこの記事で一旦締めます。
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今年のうちに解決したい疑問
この裁判に開示請求が必要であったか
前置きですがこれは特に原告代理人弁護士などに確認を取っていない、また今回の件に限らないYouTubeの規約から考えられる一般論です。
YouTubeは著作権侵害申し立てやそれに対する異議申し立てにおいて住所や戸籍上の氏名といった個人情報を要求していますが、日本人の感覚からすると考えられないと感じる人も少なくないと思います。実際にそれによって異議申し立てや、本当に誰の目にも明らかな著作権侵害(動画のコピーなど)をされても著作権侵害申し立てをためらうユーザーもいます。これは(アメリカでは普通なのかもしれませんが…)訴訟による解決をYouTubeが視野に入れていて、訴訟に必要な個人情報を要求されたときに提供するためです。この規約からすると今回のような件では少なくとも著作権侵害申し立ての時点で氏名は申し立てを受けた側(今回は原告)に伝わっていて、訴訟のためにYouTubeに本人または代理人弁護士が要求した場合には開示請求などを必要とせず比較的容易に申立人(今回は被告)の住所や電話番号といった個人情報を提供されるようです。
こういったことから考えると、YouTubeが訴訟による解決を前提にした規約を設けていて開示請求は特に必要としないようです。
関連リンク:著作権に基づく削除リクエストの連絡先情報
は?不公平では???
住所と電話番号は機密情報として取り扱われますが、訴訟の過程で要求される場合はこの限りではありません。お客様の情報を共有する必要がある場合は、YouTube からお客様に事前にお知らせいたします。
著作権に基づく削除リクエストの連絡先情報
異議申し立て通知が転送される際には、入力された個人情報も含めて、その通知の全文が転送されます。
著作権侵害の異議申し立て通知を送信する
は?不公平では???
おそらく異議申し立ての場合、次のように申立人が法的措置(裁判所への削除継続の要求、要するに民事訴訟)を講じるために住所と氏名が必要だからだとは思いますが、なんだか受け入れがたい話ではあります。
申立人は、著作権法で義務付けられているように、異議申し立て通知に 10 営業日以内に返信する必要があります。コンテンツが復元されることを申立人が防ぐには、法的措置を講じたという証拠を提出する必要があります
著作権侵害の異議申し立て通知を送信する
被告チャンネルSについて
相変わらず独自の見解(毎日書いてるからもういい)。
何とは言いませんが某番組(複数)で「大親友」「お友達」という場合には暗に本人を指していることもありますね。
独自の見解といえば、弁護士と弁理士(実際には争点に関する当事者の主張に実名あり)への相談については、もう判決文でバッサリやられてます。例によって被告チャンネルSは実際には実名の姓ですが、「被告S」として表記します。
本件著作権侵害通知の時までに、被告Sが弁護士又は弁理士に相談した上でそのような説明を受けていたとは直ちに認められない上、仮に、弁理士等から上記記事(証拠)程度の抽象的な説明を受けたのみで、原告動画が被告動画の著作権を侵害すると判断したというのであれば、これは明らかな飛躍というべきであって、著作権法上の問題の有無にかかわらず、あえて自らの主張を貫徹しようとしたものと認めざるを得ない。
令和3年12月21日判決
今年の締めくくり
今年も当サイトをご覧くださりありがとうございました。
とりあえずこの件については一旦締めて、控訴の有無がわかり次第お伝えしたいと思います。特に当初からこの問題を追っている方は非常に根気強くお付き合いくださりありがとうございます。現状だと原告には控訴する理由が特になく、被告に控訴を勧めたら嫌がらせになるらしいです。
今年はわりとこの問題にかかりきりか資格試験に挑戦するかだったので話題が偏り気味でしたが、来年はもっと幅広くインターネットや創作活動に関する話題を扱っていきたいと思います。
新年の当サイトは2022/01/03から更新を再開します。仕事納めや仕事始めという概念はないので年末年始は個人サイトのElizabeth Hour 01で個人的な雑感や年末年始のご挨拶を書きます。興味がある方はそちらもご覧ください。