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webサイト制作・運営Tips4 「リスクマネジメントの発想」


本日の記事は、個人サイトでの投稿である『ひとり会議 第3回「個人サイト運営のリスクマネジメント」』を適宜編集・加筆したものです。

元の記事の通り、インターネットであまり想定されていない、運営者の死というリスクに真剣に向き合った結果出てきた発想です。

無料サービスのメリット・デメリット、当サイトのような独立した個人サイト(独自ドメイン・レンタルサーバー)のメリット・デメリットを挙げていきたいと思います。

無料サービス

メリット
・無料である (当たり前)
・アカウントを取得すると気軽に始められる
・専門知識がほとんど不要でカスタマイズできる
・SNSとの連携がしやすい
・サービスが継続する限り本人が更新停止しても残る

デメリット
・広告が意図しないところに出現する上に運営側の収益になる
・ある程度テンプレートがあって複雑なカスタマイズはしにくい
・削除請求が送られると記事が削除されるリスクがある
・サービスが終了してブログそのものがなくなるリスクがある
・サービスが継続する限り本人が更新停止しても残る

サービスが継続する限り本人が更新停止しても残る」というのはメリットでもデメリットでもあります。筆者が中学生くらいの頃に書いていたブログはまだサービス終了していないので探せば出てきます。今の自分につながる要素は少ないけど当時好きだったお笑い芸人やアーティストの話ばかりしてたりコメントがスパムで荒れてたりしてあまりにも黒歴史すぎます。その代わり、たとえ本人が逝去してもブログやwebサイトやSNSのような無料サービスはそのサービスが継続する限りは残ります。コメント欄を閉鎖するなどして、荒れないようにする対策は必要かもしれません。

個人サイト(独自ドメイン・レンタルサーバー)

メリット
・個人の資産になる
・事業をしている場合はより信用度が高くなる
・知識があれば自由にカスタマイズできる
・理不尽な理由で削除されるリスクが低い
・仮にサーバーやドメインの業者がサービス終了しても移転できる
・広告を貼るかどうかを自分で決められる
・広告を貼る場所を自分で決められる
・収益化できる

デメリット
・初期費用が必要
・ある程度専門知識が必要
・運営者が管理できない状態になり、ドメインやサーバーの期限が切れるとアクセスできなくなる

「運営者が管理できない状態」とは、運営者自身の急病や事故のような身に危険が及んでいる状態も含まれますが、単純に運営者が更新費用を払い忘れたとか、あるいはもう更新しないから放置していたとか、そういう場合もあります。特に、期間限定でPR用に作成されたwebサイトや、放置されていたwebサイトのドメインが知らぬ間に第三者の手に渡ることなどは珍しいことではありません。

個人のクレジットカードや銀行口座から何らかの理由で費用が引き落とせなくなったらサーバーやドメインの契約が失効してしまいます。現在やっていることは「月会費・年会費やwebサイトやSNSに関わるアカウント情報を紙ベースで厳封して保管し、もしもの時に家族が閲覧できるようにする」ことくらいですが、webサイトのような個人に帰属するものについて、自分にもしものことがあったときに別の誰かが維持してくれるかはかなり不安です。何らかの手段でこのあたりのリスクマネジメントをしておきたいと言っていましたが、やっと成し遂げました。

個人運営がリスクなら、個人から切り離せばいい

筆者にとって、現時点での見込みの収入で必要経費と法人税の均等割くらいは無理なく払えるくらいなので、法人化する税制上のメリットは現時点では全くありません。また、健康保険も来年3月まで前職(私学共済)の任意継続を続ける予定で任意継続満了までは国民年金を払っているので、健康保険や年金に関するメリットも全くありません。保険の面に色々つっこまれないように、任意継続満了まではなるべく個人の貯金を使い、自分自身に報酬を支払わないつもりです。筆者にとっての法人化は、現時点では何がなんでもwebサイトを守るための保険です。

情報通信関係の契約では、本人の死亡にもかかわらず解約や名義変更に本人の承諾がないと不可能とされるという都市伝説(?)がまことしやかに囁かれています。また、本人の個人名義のクレジットカードや銀行口座からの支払いは凍結されてしまいます。煩雑な手続きは増えますが、サーバーを法人名義の契約にして法人口座からの引き落とし(厳密には私はデビットカード払いですがこのことはまた機会を改めて書きたいと思います)にすれば、自分に何かあったからといって当然に引き落としが凍結されることはありません。あまり多額ではないものの資本金を手付かずで取り崩せば十数年はwebサイトを維持できますが、移り変わりの激しいインターネットでそれだけ維持できれば十分だと思います。

そういうわけなので、昨日のキャッシュカードの受け取りと支払い情報の変更をもって、やっとリスクマネジメントとして必要なことすべてを達成しました。「リスクマネジメントの実践」についてはまた日を改めて書きたいと思います。

Posted in webサイト制作・運営