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webサイト制作・運営Tips5「リスクマネジメントの実践」


先日の記事で「リスクマネジメントの発想」をテーマにしたので、今回は「実践」をテーマとします。現在は筆者の実践より簡単になっているようです。

個人運営がリスクなら、個人から切り離せばいい

webサイトを現役バリバリで更新している人の多くはそんなリスクを想像もしていないことが多いですが、人間はいつ死ぬか、またその最悪の事態を避けられても自力での更新が困難になるかわかりません。個人の所有から切り離しておけば、支払いが突然に途絶えることなく、なんとか維持することができます。

法人設立

日本では今でも最も一般的な法人の形態は「株式会社」ですが、広く資金調達を募りたい、通信販売を予定していて商取引のための信用を得たい、経営者としての経験があって既にノウハウを持っているなどでもない限り、webサイトを個人所有から切り離すための会社は「合同会社」で問題ありません。設立費用が半分以下に抑えられます。日本では2006年の法改正で新たに加わった法人の形態で、厳密にいうと異なる点も多いのですが、例えばGoogle・Appleなどのアメリカ本社および日本法人は税制上のメリットのため合同会社の形態をとっています。

まず、マイナンバーカードとPasoriなどのカード読み取り装置を用意しましょう。マイナンバーカードは、まだまだあまり知られていませんが実印に代わる機能を備えています。これらは自宅からの確定申告でも使用できるので、持っていて損はないでしょう。

そして、本日2021/02/26より、法人設立ワンストップサービスによる法人登記が可能になりました。筆者は専用ソフトをインストールしてもう少し面倒な手続きをとってオンラインで登記しましたが、今日まで待てばよかったとすら思うほどです。必要なものを用意すればこのサービスのみで税や地方自治体への手続きも全て完了します。

会社実印は、質が良く迅速という意味ではハンコヤドットコムをおすすめします。
登記事項や定款については、法務局の記載例を参考に作成できます。合同会社の場合は定款認証は不要で、電子定款なら印紙も不要です。また資本金の払い込みも株式会社で必要となる通帳の写しなどは必須ではなく、「資本金の払い込みの証明として受け取った合同会社名義・代表社員宛の領収書」があれば事足ります(念のため、自分の持っている複数の口座間で資本金の金額相当を移動しておくなど銀行で振り込みや預け入れの記録を残しておきましょう)。資本金は自分がいなくても当面の間webサイトを維持できる金額くらいを入れておけば問題ないと思います。例えば、不審者情報の収集に特化したwebメディアである日本不審者センター合同会社は資本金が5万円とのことなので、そんなに多額を用意する必要はありませんが、金額はあなたの誠意です(なんか怖い)。定款に社員の相続に関する項目は念のため入れておくことをおすすめします。

また、自宅住所を登記するのは個人情報を公開するリスク、賃貸や住宅ローンの契約違反になるリスク(←これがかなり重大です)、引っ越すたびに移転登記が必要になるリスクなどリスクまみれなので、なるべく自宅からあまり遠くないところで、月額数千円程度でコワーキングスペースが併設された住所・ポストをレンタルして、そのあたりのリスクを回避しましょう。筆者の登記住所は大阪府枚方市岡本町7-1(枚方ビオルネ)で、バーチャルオフィスによくある雑居ビルの一室とかではなく、商業施設内にありスタッフが営業時間に常駐しているとても広いコワーキングスペースです。オフィススペースにマンションのような集合ポストがあり、そこに郵便物が投函されて自分でも確認できます。バーチャルオフィスだと犯罪への利用や郵便物が受け取れないことを危惧されて銀行口座の審査などに不利になることもあるので、駅前の商業施設が登記住所というのはそれだけでメリットであるように思います。

サーバー・ドメインの名義変更

これも変更しておくメリットはあります。筆者は既婚ですが、独身でサイト運営をされている場合、そして考えたくないですが既婚でも万が一の場合、さらに最悪の場合ですが自分自身が死亡した場合、名義変更が必要になることがあるかもしれません。法人名義にしておけば、登記変更は別途必要とはいえ、サーバーは名義変更せずにすみます。

筆者が利用しているエックスサーバー・エックスドメインでは書面での手続きが必要でした。同じサービスでサーバーとドメインを契約しているメリットはここで発揮されます。
・個人の印鑑証明書 → マイナンバーカードを持っていればコンビニ交付可(市区町村による)
・法人の印鑑証明書 → 印鑑カード交付申請書を管轄法務局に送付。印鑑カードがあれば、最寄りの法務局で交付可。
・指定様式の届 → 申請しないとこのファイルはもらえないようです。

これらを送付した上でお問い合わせフォームから必要事項を送ったところ、2021/01/27送付、2021/01/28受け取り、2021/02/01名義変更完了という流れでサーバー・ドメインの名義変更が完了しました。

法人口座の開設

通信販売などの商取引を予定していたらいわゆるメガバンクや地方銀行で口座開設するほうが信用が得られますが、そうでなければ手続きが煩雑でなく手数料やランニングコストが抑えられるネット銀行で十分です。色々ありましたが、最終的にGMOあおぞらネット銀行で開設しました。必要書類が揃わず資料の追加を求められましたが、銀行所定の様式の会社概要書を提出したら審査に通りました。資料不足などがあったときにこちらも迅速な対応を心がけておけば、およそ1週間〜10日でキャッシュカードを受け取り、開設できると思います。また、クレジットカードは会計上の仕訳が煩雑になる、設立したてでは審査に通りにくいということもあるので、デビットカード機能付きの口座をおすすめします。即時引き落としなので、会計ソフトでの仕訳が煩雑になりません。
(関連記事:GMOあおぞらネット銀行で法人口座開設完了!パターン別おすすめの口座)

そしてサーバーとドメインの支払い情報を変更し、自動更新にしておきました。

リスクマネジメントとしては完了

リスクマネジメントとしては完了したので明日死んでもwebサイトの維持について思い残すことはありません(他には思い残すことがたくさんありすぎてあと100年あっても足りるかどうかわかりません)。法人設立ワンストップサービスがさらに強化されていて法人設立はさらにハードルが下がったように思います。このままの世の中の流れだと、法人実印や登録免許税すら不要になる未来もあるかもしれないので今がベストとは言い切れませんが、webサイトを運営している人ならマイナンバーカードは既に持っていそうでオンライン手続にもあまり抵抗がなさそうなので(偏見)、このようなリスクマネジメントの形を提案しておきます。

Posted in webサイト制作・運営