コミュニティガイドラインの違反警告3回、著作権侵害の警告3回、著作権侵害申し立ての不正使用などでYouTubeチャンネルが停止され、永久に削除されるおそれがあります。「永久に削除」とはどのくらい重いペナルティなのでしょうか。
(2021/08/29 19:30加筆修正)
念のため
YouTubeは時々機械的な処理によりスパムの可能性があるアカウントを停止しているので、停止されたアカウントが必ずしも違反しているわけではありません。もしチャンネルが誤って停止・削除されたと思われる場合にはこちらをご覧ください。
関連リンク:チャンネルまたはアカウントの停止
永久追放されたチャンネルの例
先日、2020年に窃盗・威力業務妨害・信用毀損などの様々な犯罪や迷惑行為により逮捕・起訴されていた自称YouTuberに対して懲役1年6月、保護観察付き執行猶予4年の有罪判決がありました。判決ののちにすぐ開設したYouTubeチャンネルが即時に停止されたとのことです。逮捕やその後の報道で名を知った方は誤解しているかもしれませんが、この人物は逮捕より前にコミュニティガイドライン違反警告3回によりチャンネル停止、実質YouTubeからは永久追放されています。逮捕・起訴・有罪判決とYouTubeの措置は無関係で、元々YouTubeから永久追放の対象として目をつけられていると思われています。
関連リンク:「へずまりゅう」丸刈り姿で 保護観察付き有罪判決 地裁岡崎支部
この人物のチャンネル停止の履歴
過去(この人物の逮捕以前)にひょんなことから興味を持ってチャンネル停止履歴をまとめていたのですが、まさかこんなところでそれを出すことになるとは思いませんでした。逮捕・起訴・有罪判決とは関係なく、それ以前からYouTubeにとってかなりの要注意人物扱いになっています。
2020/05/15 1回目のチャンネル停止
「嫌がらせ、ネットいじめ」に関するコミュニティガイドライン違反で3回警告を受けたことによりチャンネル停止。
2020/05/19 2回目のチャンネル停止
2020/06/02 3回目のチャンネル停止・4回目のチャンネル停止
これらは3回の警告を待たず、いわゆる「一発BAN」でした。チャンネルが停止されたら他のチャンネルを作成することもできないとのことなので、同一人物とわかったらすぐにチャンネルが停止されているのかもしれません。
2020/06/03 傷害罪により逮捕
度重なる迷惑行為の被害に遭ったユーザーが警察に被害届を提出していたとのことです。48時間勾留され、送検や起訴はされず釈放されたようです。筆者も忘れかけていましたが、刑事裁判以前に1回逮捕されていたようです。
2020/06/08(?)5回目のチャンネル停止
逮捕騒ぎで具体的な日付は不明ですが、このあたりに再びチャンネルが停止されたようです。
2020/06/15 6回目のチャンネル停止
2020/06/18 7回目のチャンネル停止
2020/06/20 8回目のチャンネル停止
2020/06/22 9回目のチャンネル停止
もはやYouTube運営に目をつけられ、いたちごっこのような状況です。YouTubeから追放されたと考えていいでしょう。
2020/07/11 窃盗罪により逮捕
このときに新型コロナウイルスに感染しており、管轄の警察署でも感染者が出たとのことです。
2020/08/18 窃盗罪により起訴
その後、この件とは別に威力業務妨害罪・信用毀損罪でも再逮捕・起訴されています。
2021/08/27 懲役1年6月、保護観察付き執行猶予4年の有罪判決
法廷では「もうYouTubeには関わらない」という趣旨の発言をしていたはず、なのですが…
同日 新しくYouTubeチャンネルを開設したことをTwitterで報告
煽りかウォッチングか、瞬く間に数千人ものチャンネル登録者を獲得したものの…
2021/08/28 10回目のチャンネル停止
かなり明確な永久追放です。
編み物ユーチューバー著作権裁判に至るYouTubeの措置などでYouTubeに一抹の不信感を持ってしまった方もいるかもしれませんが、それに関してはYouTubeは本部のあるアメリカの法律に従った措置をしているだけなので仕方ありません。しかし、一度永久追放したチャンネルを野放しにするほど問題のある運営ではなく、かなり重いペナルティが課されているようです。具体的には、コミュニティガイドライン違反警告3回の警告以来に開設されたチャンネルはほぼ1日未満で停止されています。
だから何かと言うと…
編み物ユーチューバー著作権裁判の原告は「著作権侵害の警告3回によるチャンネル停止」を恐れて必要な措置を取ることができなかったとしていますが、今までのチャンネルとそのコンテンツが消え、新しくチャンネルを作ることもできないとなるとそのリスクを恐れるのは当然だと思います。
ちなみに、「著作権侵害申し立ての不正使用」はそれだけでアカウント停止の可能性があるものなので、仮に編み物ユーチューバー著作権裁判で不正使用だとされる判決が下った場合、被告チャンネルSのアカウント停止や永久追放などの措置がとられることになる可能性があります。裁判が始まってまもなく原告を含む複数のチャンネルの動画が復元した理由も依然として不明(当事者尋問でYouTubeから復元の通知と被告に対する補足情報の要求があったことのみ判明)なのですが、裁判やその報道などが影響している可能性は皆無ではないかもしれません。