メニュー 閉じる

著作権侵害申し立てとContent IDについて


【お詫び】昨日、2020/12/04の記事内で取り上げたJ-CASTニュースの記事が削除されていた件について、「公開期間の終了」と推定していましたが、元の記事の内容に誤りがあったため削除されたことが判明しました。申し訳ございませんでした。

情報元のJ-CASTニュースによるお詫びはこちらです。削除された記事で取り上げられていたものは、JASRACと提携する海外の著作権管理団体による申し立てであり、「虚偽申請」ではなかったということが後に判明したとのことです。それにしても、日本ではJASRACとの包括契約があるにもかかわらず、海外でも視聴できることを理由に海外の著作権管理団体に収益を分配する必要があるというのはなかなか動画投稿者にとって手痛いシステムであるように思います。

J-CASTニュース「YouTube著作権『虚偽申請』」記事についてのお詫び

しかし、J-CASTニュースの再取材では「この件は」虚偽申請ではなかったことが判明しただけで、YouTubeでは権利所有者以外が不当に権利を主張することは珍しくありません。

また、再取材の内容について詳しく読み解いたところ、他人の広告収益をかすめとる著作権詐欺のしくみは、編み物ユーチューバー著作権裁判で問題となった不当な可能性の高い著作権侵害申し立てとは構造の異なる問題であることが明らかになりました。

著作権侵害申し立て

文章や漫画の無断転載、動画のコピーなどの明らかな著作権侵害を権利所有者自身が発見した場合、手動で個別に著作権侵害申し立て通知を送信できます。有効な形式の申し立て通知である場合、YouTubeは動画の著作権の有無を判断することなく、動画を非公開にします。
編み物ユーチューバー著作権裁判はこの著作権侵害申し立て通知が不当なものであるということを原告が立証しようとしている裁判です。

Content IDによる申し立て

まずはYouTube公式動画であるこちらをご覧ください。英語ですが、日本語字幕付きです。本日のサムネイルもこの動画の一部です。

YouTubeにおけるほとんどの著作権侵害申し立て、例えば映画や楽曲の無断アップロードなどの明らかな著作権侵害に対する対処は、Content IDのシステムによるものです。Content IDでは、権利所有者が登録したデータベースとの音声・映像・メロディの一致を自動検出し、一致が検出された場合は権利所有者が自ら申し立てることなく自動で動画投稿者に申し立て通知が送信されます。

権利所有者はContent IDに登録したものとの一致を検出したときに「動画を削除(ブロック)する」「収益を受け取る」「視聴者データを入手する」の3つの方法を選ぶことができますが、多くの権利所有者は「収益を受け取る」を選択します。これにより、権利所有者はContent IDのシステムによって著作権使用料を動画投稿者の収益から徴収できるということになります。また、自動検出であり誤って申し立て通知が送信されることもあるため、Content IDの通知については異議申し立て通知も比較的簡単に行うことができるようになっています。

そのシステムでなぜ詐欺が発生するかというと、以下のような流れが想定できます。

著作権詐欺団体がContent IDのデータベースに他人が権利を所有しているコンテンツや著作権の期限切れの楽曲などを登録

一致が検出されて著作権詐欺団体から自動で申し立て通知が送信される

著作権詐欺団体が対応の方法として「収益を受け取る」を選択し、本来の動画投稿者が得るはずだった収益をかすめとる

YouTubeも「誤った申し立てを繰り返すコンテンツ所有者に対しては、Content ID へのアクセスを無効にしたり、YouTube とのパートナー関係を解消したりすることがあります」と注意喚起していましたが、Content IDのデータベースは膨大であり、不当なものが紛れ込んでいてもYouTubeの対応が追いついていない現状があるようです。

Posted in YouTubeについて